こんにちは、うめ太郎です。
オーストラリアで永住をめざすカップルに赤ちゃんができたらビザはどうなるのか?
この質問はよくいただきます。
答えは、「赤ちゃんがどこで生まれたか、そしてご両親のビザ」によって赤ちゃんのビザが変わってきます。
結論ですが、赤ちゃんを生むなら可能な限りオーストラリアがいいですね。日本で産むとオーストラリアへの入国に数ヶ月以上待ちがかかるからです。
今回は子供をどっちの国で産めばいいのか、ビザの扱いなども含めて総合的に判断できるよう考えていきます。
赤ちゃんのビザは
生まれた場所、ご両親が持っているビザによって変わってきます。
1986年頃までは親がどのようなビザを持っているかに関わらず、オーストラリアで生まれた子供に対して市民権(Birth Right)を与えてきましたが、それが乱用されてか廃止されました。
ネットでちらっと噂にあるオーストラリアで子供を生んだら永住権や市民権がもらえるというのはもう遠い昔の話なわけです。
まぁ考えてみればそれは当然だとも思えます。観光ビザで入国して子供を生んでしまえばオーストラリアに永住できる切符を手に入れられる事になりますし、簡単に永住切符を発行してしまうと悪用されるのは確実。
今は赤ちゃんが生まれるとビザはどうなる?
オーストラリアで出産した場合
親が永住権を持っていればオーストラリア国内で産むのが一番いいですね。
オーストラリアで出産すると、赤ちゃんはご両親と同じビザを持つことになります。永住権・市民権を持っていれば赤ちゃんは市民権を持つことに。
- 市民権→赤ちゃんも市民権
- 永住権→赤ちゃんも市民権
- その他→赤ちゃんもご両親と同じビザ
ビザは赤ちゃんのパスポートにリンクされますが、出産直後はまだ発行されていません。したがってオーストラリアにある日本大使館でまずはパスポート手続きをしましょう。
パスポートが発行されると、移民局で出産したことを伝えます。
ちなみに、オーストラリアで生まれた場合はご両親のビザの種類に関わらず申請費用は無料になります。
赤ちゃんの市民権
出典:移民局から |
ご両親が永住権か市民権を持っている間にお子様がオーストラリアで産まれれば、お子様は自動で市民権を持つことになります。
つまり産まれた時点でオーストラリア人でもあり日本人でもあるわけです。
オーストラリアのパスポートを持つためには手続きが必要なのでパスポートセンターに行きましょう。
赤ちゃんが市民権を持っているということは、ビザを持つ必要はありません。オーストラリアのパスポートだけ申請しましょう。
赤ちゃんのビザ
出典:移民局から |
ご両親がテンポラリービザ中(永住権の申請中も含む)にお子様がオーストラリアで産まれれば、赤ちゃんのビザはご両親がその時に持っているものと同じになります。
移民局への手続きですが、赤ちゃんが誕生した後、母親の無理のない程度でできるだけ早く知らせてください。Immiアカウントを使ってオンライン上から知らせることができます。
オンラインでの操作が苦手な方はForm1022を郵送して伝えることもできます。
関連記事:ビザ申請中に子供ができた、生まれた場合は移民局に伝えてビザに含める
日本で出産した場合は
手続き的にもお金的にも手間がかかります。
赤ちゃんが産まれた時点でご両親がどのようなビザをお持ちであれ、お子様は必ず移民局で手続きが必要です。
- 市民権→赤ちゃんも市民権
- 永住者→赤ちゃんはチャイルドビザ
- その他→赤ちゃんはご両親と同じビザ
オーストラリアで産んだときよりも赤ちゃんの滞在条件は悪くなります。
また、自動でビザも発行されません。オーストラリア政府として国外で生まれた子供が両親と法的に親子関係であるか判断ができないからです。
したがって、親子関係を証明した上で市民権、チャイルドビザ、それ以外のビザの手続きと発行がされます。
赤ちゃんの市民権
Your baby might be eligible for Australian citizenship by descent
両親のどちらか一人が市民権を持っていたとしても、親子関係の証明をした上で赤ちゃんの市民権申請ができます。
チャイルドビザ
Your baby might be eligible for permanent residency.
赤ちゃんのご両親のどちらか一方が永住権を持っている場合、チャイルドビザ(S101)の申請が必要です。
チャイルドビザはオーストラリア国外で生まれた子供用の永住権だと考えてください。
親が永住権を持っている状態で日本でお子様を出産するケースはよく聞きますが、その場合は、チャイルドビザでの入国になります。
チャイルドビザは申請からビザの発行までオーストラリア国外で待たなければなりません。
審査期間は12ヶ月〜22ヶ月なので、父親がオーストラリアで就労している場合はかなり長期間にわたって離れて暮らすことになります。
仮に観光ビザなどで入国することは法的に可能ですが、オーストラリア国内から赤ちゃんのための永住権は申請できないことに注意しましょう。
お子様のためにもなるべくオーストラリアでお産みになったほうが良いと思います。
赤ちゃんのビザ
オーストラリアの一時ビザを持つご両親が、日本で子供を出産した場合はご両親のビザに含めることができます。
上のビザを持っている場合は、生まれた後にSubsequent Entrantを使ってご両親のビザに含められます。
ご両親が持っているビザが上のリストになければ観光ビザになります。観光ビザはお子様を含められないので別途申請します。
赤ちゃんはオーストラリアで産む
オーストラリア国内で産むほうが手続きの手間はかかりません。永住者であれば出産の費用もほとんどかからないのでなるべくオーストラリアで出産することを考えたほうが良いですね。
もし日本で産むとなるとお子様は「パスポートの手続き+ビザの手続き」などかなり時間が掛かってしまうかも知れません。
さらにコストも数千ドルに上るので、どうしても日本で生まないといけない理由をしっかり考えた上でオーストラリア国外で出産をしましょう。
この記事が赤ちゃんをどこで生み、どのビザになるのか参考になれば幸いです。
ありがとうございました。
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