ビザの審査スピードはビザごとに違います。ただ、Priority Processingの対象ビザは審査が早い。
こんにちは、うめ太郎です!
ビザごとの審査スピードの違いが分かって何になるの?と思うかもしれませんが、移民局の考えがわかります。
移住のトレンドみたいなのがわかるんですね。
プライオリティ・プロセッシング
Priority Processingと書きますが、ビザごとに審査の優先度が設けられていて、移民局が力を入れているビザほど優先順位が高いです。
この制度は2012年から始まりましたが、2018年に制度として廃止されています。
ちょっとまってください!
ただ、現在(2021年)でもこのPriority Processingの考えは移民局では残っており、一部のビザではプライオリティ・プロセッシングの対象となっています。
それが、地方系のビザですね。DAMAのビザなども審査の優先度が高く設定されています。
プライオリティ・プロセッシングの背景
Priority Processingを理解しやすくするために、以前の制度についてちょっと触れておきます。サクッと次に飛ばしても問題ありません。
ビザは
- 申請→審査
の流れで発行されます。その審査官は予算の都合上、人数に限りがあるので優先度の高いビザにはたくさんのビザ審査官が担当して効率的にビザの発行を行いましょう!というのが元々の目的。
優先度は5つのグループに分けられていて、グループ1がもっとも重要で優先度が高いビザです。
- 【Group1】地方系ビザ
- 【Group2】雇用主指名永住権
- 【Group3】州指名永住権、またはビザ
- 【Group4】職業リストに載っているお仕事系ビザ
- 【Group5】その他
こうしてみると、技術系ビザの審査優先順位は高いことが分かります。
ちなみに、Group1とGroup4の審査期間は最大で7ヶ月も違います。
だから?と思わずにちょっと考えると、その期間にビザを維持するために支払わなければならない保険料などの出費に影響する。
特に、永住権だと政府からの手当がもらえるかどうかにも関わるので数ヶ月だけでも大金です。
現在も発行が早いビザ
上記の背景もあり、地方系ビザの審査スピードは未だに早くなっています。特に2021年から地方エリアが3つのカテゴリ分けになりました。
まぁ、卒業ビザが最大2年間延長できるようになったのですが、カテゴリ2(中都市)とカテゴリ3(リアル田舎)ではPriority processingがまだ使えます。
地方ビザでは
Priority processing of regional visas
Priority in negotiating region-specific Designated Area Migration Agreements (DAMAs)
とあるように、地方ビザとDAMAsのビザがプライオリティ・プロセッシングの対象です。
Familyビザも
ビザ審査の優先度が高く設定されています。下のケースが当てはまるそう。
- パートナーや子供
- 孤児
- 家族引き寄せ
- 介護系
- 政府の大臣が関わっている
いわゆる家族系のビザですね。
このあたりは、2020年ー2021年の移民受け入れを見てもオーストラリア政府として、どういった移民が欲しいのかを読み取ることが出来ると思います。
昔は審査の優先度を上げることもできた
プラオイリティ・リクエストと呼ばれる方法を使い、審査のスピードをあげさせる要求も昔はできました。(Priority Request)
実際に、私はそれの要求をした結果、審査完了までの時間をたったの2ヶ月にできました。
この制度も初期のプライオリティ・プロセッシングが始まった2012年からスタートしています。
その「審査スピードを上げろ」という要求ができるのは、十分な理由がある場合のみ。
と言いつつ、使ったことのある人に話を聞くと、みんないい加減だったようです。例えば、
- 家族が待っている!
- 手当がもらえないからお金がない!
- 娘が病気で!
なんて、ホントかよ?と思うような理由でリクエストをしていたそうです。
私の場合は、移民行政代行書士に、仕事の関係ということでお願いしました。
現在は廃止された
理由はあまりに多くの人がこの制度を利用したため混乱を招いた。あまりにもみんなが多用したことでリクエストの数が大幅に増えたんですね。
また、組織的な効率化により、ビザの審査スピード自体が早くなったことを移民局は理由としてあげています。(プライオリティ・リクエストの制度 が必要なくなったそう)
ただ、それが発表された当時、私が移民局のProcessing Timeを見てみると、10ヶ月以上もビザが審査中になっている人もいました。
ボクが申請した時よりも逆に遅くなっているので、これは移民局の言い訳だと考えています。
そして、移民の受け入れ数を減らしたりしていたので、全体的に移民をへらす方向にしていたのかもしれません。
プライオリティ・リクエストの廃止は2018年の9月5日。
過去の遺物になってしまいましたが、ボクがリクエストを出した就労ビザ(当時はS457)のやり方を話のネタとして紹介します。
プライオリティ・リクエストのやり方
移民局にメールをプライオリティ・リクエストについてのメールを送るだけ!
ビザの申請をしてから、457@border.gov.auにメールを送ります。その際にタイトルは'Priority processing request'と付けます。
下の理由に該当する人がビザ申請の優先度を上げることが出来るとされていました。
- 納期が近い
- 大規模なプロジェクトに関わる
- 地方の雇用者がスポンサー
- S457ビザを取ってから転職する場合
実は、私がリクエストしたのは4番目の転職に当てはまっていたんですね。
どれくらいビザ申請の審査の優先度が上がるのかと言うと前の雇用者の場合は6ヶ月かかっていた審査が2ヶ月で終わりました。
2日でビザが発行!Fast Track
追加で1,000ドル支払うことでビザがたったの2日で下りるサービスを移民局は始めました。
移民局ではPriority Consideration (fast-track) serviceと呼んでいます。
訪問ビザ(S600)が対象だそう。さらにパートナーがインド人またはアラブ首長国連邦に住んでいる人達が対象だそうです。
ビザの種類ごとに 優先順位があり、その優先順位をしることで移民のトレンドもある程度読み取ることができます。
まぁ、トレンドは地方や家族ということですね。
これらの地域ではビザの審査スピードが早く、優遇されています。また、ビザも大都市と比べると取りやすいですね。
この記事が、これからオーストラリア移住を目指す人に参考になればと思います。