ビザのサポートするよ!って会社から言われて入社したわけですが、いざその時が来ると逃げ腰な会社。
オーストラリアに移住するのって難しい!と思わされる現実を知るときでもあります。ボクはかれこれビザ絡みで2つの会社を渡り歩きました。
どちらもビザ・永住権のスポンサーになってくれると面接では言ってくれましたが、申請を進めようと交渉すると「待った」が入る。約束が違うやん!
と言いたいのを抑えて、夢の永住のためには状況をコントロールする必要があるとあの手、この手を使い最終的に永住ができました。
今回はビザをサポートする会社にとって、一歩引いてしまうポイントについて書いていきます。これ知れば対策→ビザげっと!できるようになればと。
会社がビザのスポンサーに難色を示す理由
会社の負担(コスト)が増えることが大きなところですね。
ビザのスポンサになる際に必要な会社側の負担は
- 最低年収が上がる
- 寄金(SAF)への寄付
- 手間
3つの負担があり、初めの上から2つは金銭的な負担、最後はスポンサーになるための資料作りなどの手間的なコストですね。
会社がスポンサーになると決めるにはそれなりの勇気が必要です。このあたりの負担を目の当たりにすると面接時にスポンサーになると言っても、土壇場で一歩踏み出せなくなる。
最低年収が上がる
オーストラリアで就労ビザを取るには年間53,600ドルの年収保証をしなければなりません。学生ビザやワーキングホリデーを雇う場合は最低賃金を守ればいいだけになるので最低週給である$740.80を守ればいい。 これを1年の年収に直すと、
- 740.80×52週(1年)
になるので、$38,521.6が最低年収になるのです。
おおよそ$15,000ドル以上の開きがありますね。つまり、会社で長期間、必要な人と思わせない限り会社はビザをサポートしたいと思わないわけです。
SAFへの寄付
SAFと言って、Skilling Australian Fundsと呼ばれるオーストラリア人の職業訓練を促す寄金へ寄付が必要。
外国人労働者を雇うのであれば、オーストラリア人の技能習得を促すためにお金を出せ!という趣旨の寄金がSAFで、数千ドルの出費が必要。
この金額はスポンサーになるビザの種類と会社の売上によって変わってきます。
会社の売上が10 million(1ドル100円で10億)以下の場合。
- TSSビザ:$1,200×ビザの年数
- ENS永住権:$3,000
10 million以上では
- TSSビザ:$1,800×ビザの年数
- ENS永住権:$5,000
と結構掛かります。寄付はOne Off(1回だけ)なので一度支払えば二度と払う必要はありませんが費用がそれなりに掛かるので会社にとってはスポンサーになるかどうかの悩みのタネだと言えます。
特に就労ビザ(TSSビザ)の場合は毎年$1,200ないし$1,800の寄付を払うので4年のビザ期限では4倍のコストに膨らむ。
この費用はビザが取りやすいDAMAビザを使った場合でもSAFへのコストが発生します。
唯一、宗教に関わる人に対してビザのスポンサーになる場合はSAFの寄金が免除されていますが、かなりレアなケース。ほぼすべての人に対してSAFへの寄付対象となっているのが現実です。
関連記事:ビザの取得を難しくする新スポンサー負担。知って対策する!
ビザ=転職が容易に=会社は嫌う
会社がビザを取ってあげると、社員はそのビザの縛りで転職ができないというわけではない。むしろビザがあることで次の転職がとても容易になる。
オーストラリアでの労働経験が1年あるだけでも、こいつはWork(使える)すると思われるのです。
さらに制度上でも就労ビザ・永住権での転職が可能。永住権は種類によっては2年の縛りがあるけれど、就労ビザはビザが発行した翌日に転職することが技術的に可能なんですね。
もちろん、審査のプロセスがあるので翌日に転職は無理ですが翌日に申請すると早早ければ2ヶ月程度でビザも下ります。ボクの場合はビザが下りて2ヶ月で転職できました。
スポンサーに躊躇する
次の会社でビザのスポンサー申請をしてそれがパスすれば転職は楽勝でできる。さらにこっちでのお仕事経験も合わせれば仕事が見つかりやすい。
だからこそ、ビザのスポンサーとなる会社はビザが取ればすぐに転職するのではないか?と考えて躊躇するのです。
特に永住権のスポンサーになる場合はそれが顕著で、実際ボクが今働いている会社でスポンサーを受けた4人全員は永住権を取ったあと直ぐに退職しました。
だからこそ、永住権のスポンサーになるよりは、就労ビザのスポンサーでいてほしいという会社側の都合とそうでないボクの都合で色々と折り合いをつけるのが大変だった。
これを悪用されると、ワーキングホリデービザで働いた会社で、就労ビザの可能性をチラつかされつつ、長期間労働などを要求されたり、最終的にビザさえも取ってもらえないという事が起きるのです。
関連記事:オーストラリアで外国人労働者として働いた時の扱われ方
スポンサーになってもらうコツ
会社側にとっての、お金的、ビジネス戦略的なコストを意識したときにそれを超えるほどのメリットがあると思わせることがスポンサーになってもらうコツです。
その肝となるのは、自分の意志をはっきりさせること。自分がとても会社に満足していること。これからも働き続けたいことをしっかりと言うことです。
また、ビザのことをお願いするのはとっても言いにくいことかもしれません。いくつかは会社側が必ず払わないといけないコストですし、それを躊躇していると時だけが無意味に過ぎ去っていきます。
ボクは他人の目を気にして自分の言いたいことが言えない性格なので、そのあたりが原因となりビザのスポンサーの話をしてから申請まで半年も遅れることになりました。
大事な事は「言うしか無い」。そうやって自分で申請を進めていかないと、最終的には悪い方向に状況が変わるかもしれないと痛感しました。
また、できるだけスムーズに事を進めるには会社側のコストを最小限にしてあげることも大事です。
費用は全部自分で支払う
就労ビザ、永住権の申請を第一に優先するには会社が被る費用を自分で肩代わりする必要があると気づきました。
もちろん、法的に肩代わりできないものは出来ませんが、それ以外のコスト面を全部自分で支払うと約束した事で申請が前に進むことに。
ボクの場合はエージェントと契約し直して進めることで、停滞していた申請準備が前に進むことになりました。
今思えばエージェントですら使う必要がなかったと思うときもありますが、あのときはビザ・永住権の申請内容がわからなかったので仕方がなかった面がある。
準備した申請書類にクリエイティブな能力が必要とされる書類は2つしかなく後は納税書のコピーなどWebからダウンロードできるものだけだったので自分で進めたほうが早かったと思いましたね。まぁそれは後の話。
ただ共通するのは自分であれ、エージェントであれ絶対にビザが欲しい!と明確に意志を持った元に進められる行動力と会社側の負担のことも考えられた行動だったと思います。
この記事がこれからビザの話をスポンサーにする人にとって参考になれば嬉しいです。
オーストラリアに永住したいと思うすべての人に幸運を。
ありがとうございました。