こんにちは、うめ太郎です。
オーストラリアで働きたいなら就労できるビザを取るしかありません。
働けるビザはそれなりにたくさんありますが、
就労のためだけに用意されているビザはS482(TSS)ビザと呼ばれているものだけ。
このビザは2年〜4年オーストラリアに働きながら住めますがフルタイムで働ける会社を見つけられるかが一番大きな壁です。
今回はオーストラリアで就労したい人、そこから永住権を狙う方法について考えていきます。
- ややこしい就労ビザをまとめる
- 過去にはS457とも呼ばれていた - 就労ビザがほしいなら就職する
- 就労ビザは2年と4年の期限に分かれる
- お仕事=職業リストに載っている
- リストにないお仕事は就労ビザが取れない - 会社側にも負担がある
- スポンサーの話
- ノミネーションの話 - 就労ビザが申請できる条件
- お仕事経験がいる
- 年齢はなし
- 英語力はそれなりに
- 健康証明はレア
- 警察証明は必ず - 就職が無理なら会社を起業→就労ビザを取る
- 成功率は50% - 就労ビザから永住権を狙う方法は
- 最後に、就労ビザが狙えない人は働けるビザを目指す
ややこしい就労ビザをまとめる
オーストラリアのビザは頻繁に変わるのでネットを見ていても過去の情報や今の情報が混ざっていて分かりにくく混乱の元になっているので初めに就労ビザを整理していきます。
まず、現行の就労ビザはS482ビザです。このビザはオーストラリアで不足気味のお仕事をする人に発行されます。*
* 移民局のページから最新の就労ビザ情報が確認できます。
労働者不足の度合いによって2年と4年期限がわかれますが要は、S482ビザ。
Temporary Skill Shortage Visaの頭文字をとってS482ビザのことをTSSビザと読んだり、仕事に関わるビザなのでビジネスビザと呼ぶ人もいます。
なので就労ビザは
- S482ビザ
- TSSビザ
- ビジネスビザ
と呼ばれているんですね。
就労ビザの申請には会社に書類の作成を手伝ってもらわなければなりませんが、起業する方法もあります。
過去にはS457とも呼ばれていた
就労ビザは過去にS457ビザとして使われていましたが2018年に法律の改正があり、今は申請できません。
代わりとなるビザがTSSビザなんですね。
それではそれぞれを細かく見ていきましょう。
就労ビザがほしいなら就職する
これが就労ビザを取るのに一番大事なポイント。働けないのに就労ビザは下りません。
就労ビザを取るまでの流れをざっくり書いてみると
↓
就活
とこんな感じ。とにかく仕事を得る(就労)ことが先決。それがないと先に進めません。
就労ビザは2年と4年の期限に分かれる
「仕事に就いた業界」全体としてどれだけオーストラリアで不足しているのかによって就労ビザは2年・4年のビザ期限が分かれてきます。
オーストラリア政府が「この職業は数年程度の不足だろう」と判断すれば2年のビザ。中・長期的に不足するような仕事であれば4年のビザが申請できます。
期限は、就労ビザの申請時に2年になるのか、4年になるのかわかります。というのも2年と4年で職業リストが分かれているからです。
お仕事=職業リストに載っている
オーストラリアの職業はかなり細かく一覧にされて載っています。この職業の一覧というのはANZSCOコードと呼ばれる管理番号でかなりガッチリ決められているくらい。
たとえば、会計士という職業は
- Accountant (General): 221111
です。右がANZSCOコードですね。
こういうふうにすべての職業に管理番号がふられています。
2年の就労ビザを申請する場合、短期職業リスト(STSOL:Short-Term Skilled Occupation List)に載っているお仕事経験が必要です。
4年の就労ビザを申請する場合、中・長期戦略職業リスト(MLTSSL:Medium and Long Term Strategic Skill List)に載っているお仕事をされる人が対象ですね。
リストにないお仕事は就労ビザが取れない
というわけです。
ただ、職業リストは年に2回更新されることになっているので、今は載っていなくても、将来的には「復活 or 載る」可能性があります。
辛抱強く待つのも手ですね。
会社側にも負担がある
就職してお仕事する内容が職業リストに載っていること以外にもいくつか申請のポイントがあるんですよね。
オーストラリアで働くビザを取るには一筋縄でいかないのが現実。
ビザの申請には労働者を受け入れた会社側にもある程度の負担があります。まずは会社がクリアすることを挙げると、
- スポンサーとして認められる
- ノミネーションのパス
があります。
それぞれに申請があってコストも掛かりボク達が申請費用を肩代わりすることはできません。
一昔前までは会社の負担を肩代わりできたのですが今は無理なんですよね・・。
スポンサーの話
会社は就労ビザをサポートするわけですから、会社がオーストラリアでまっとうに経営されているかのチェックが入ります。
それがビザのスポンサーになる資格があるかどうかのチェックですね。
Standard Business Sponsorshipと呼ばれる審査をパスします。
ノミネーションの話
就労ビザ申請はオーストラリアで不足しているお仕事に限られます。
会社が外国人労働者を雇わなければならない理由、つまりなぜオーストラリア人や永住者を雇わない、雇えないのかを説明します。
このあたりは自分はノータッチで会社の人に資料を作ってもらいましょう。
就労ビザが申請できる条件
会社でお仕事をするわけですから、職務をこなせる最低限の条件が決められています。
ここでは一旦、ビザ申請のハードルが低い2年の就労ビザ申請に必要な英語スコアを紹介します。
4年のビザ申請条件は永住権の話を合わせてこの後説明しますね。
お仕事経験がいる
最低2年間のお仕事経験が必要で、証明のために技術査定(スキルアセスメント)の申請が必要です。
お仕事と関係している大学のコースを卒業していることや、資格などが判断基準としてあります。それに加えてこれまでの実務経験が必要ですね。
年齢はなし
年齢制限はないので何歳でも就労ビザを申請できますが、永住権の申請は45歳未満が対象です。
英語力はそれなりに
仕事をする上で最低限の意思疎通ができる必要があり、英語力の証明が求められます。
ただ、高給取りや授業が英語で行われている初等教育以降の教育機関で最低5年間授業を受けた場合は免除されるようです。
英語のテストは下の5つから選べます。
外部リンク: English proficiency (subclass 482)
IELTS
ジェネラルの各セクションで4.5以上。Overallは5.0以上
TOEFL iBT
Listening が35 , Readingが35 , Writingが12 、Speakingが12以上
Cambridge English
Advanced (CAE) の各セクション147以上
Occupational English Test (OET)
各セクションにてLevel B以上
Pearson Test of English (PTE)
Academicの各セクションで30以上
英検に換算すると
このビザで求められる英語力は英検2級程度です。ボクの場合だとオーストラリアで6ヶ月生活していただけで到達したので勉強すればかならず達成できると思います。
健康証明はレア
日本は病気リスクに対して低リスク国と分類されているので健康診断を受けなくてよいケースがほとんどですが、健康に関する問診票の回答次第では求められるケースも。
その場合、オーストラリア政府が指定する医療機関で健康検査を受けます。
費用は大体400ドル程度。
警察証明は必ず
AFP証明(Australian Federal Police Clearance)と言われる犯罪歴がない事を証明しなければなりません。
過去にワーホリなどで1年以上滞在した経歴がある人は、過去10年間に渡って渡航した国からの無犯罪証明も必要です。
就職が無理なら
会社を起業→就労ビザを取る
どうしても就労ビザをサポートしてくれる会社が見つからない場合は自分で会社を立ち上げて、その「自分の会社」が自分にビザのスポンサーになるというのも手としてあります。
実際、いくつかの移民エージェントも技術的にはそれが可能だという記事を公開していますね。
これはセルフ・スポンサーシップと呼ばれる方法だそうです。
やり方はいたって簡単で
- オーストラリア国内・国外で会社を立てる
だけ。
後は、就職して就労ビザを申請するのと同じ流れになります。
ただ、移民局 も会社とビザ申請者の血縁関係(自分も含めて)がある場合は、慎重な審査になるようで、ノミネーション申請でいかに説得力をもたせられるのかが重要なようですね。
参考記事:Self-Sponsorship on a 482 visa, TSS 482 VISA SELF SPONSORSHIP
成功率は50%
法的にはまったく合法。申請書類をしっかりと作り込むことでビザが下りる可能性を50%まで引き上げられるそうです。
アイデアとしては面白しろいですが、個人的にはこれは最後の手段としたいところ。
ビザのための起業でなく、ビジネスのための起業である証明が審査をパスするポイントだそうです。
就労ビザから永住権を狙う方法は
4年の就労ビザが申請できる人は、ビザが発行されてから3年間同じ会社で働くことで永住権への道が開かれます。
2年の就労ビザは一時的な労働者不足を解決するためのとりあえず的なビザなので永住権は申請できません。
4年と2年のビザ申請条件の違いは
- お仕事内容が中・長期戦略職業リスト(MLTSSL)に載っている
- 英語力がIELTS換算で0.5ポイント(各コンポーネント)高い
この2点が違います。
さらに、永住権を申請する時に45歳未満でなければいけないのもポイント。
年齢制限を回避する方法も用意されていますが若干ハードルは高めです。
それでも40代から永住権はまだ狙えます。道がないわけではないので諦めずに頑張りましょう。
最後に、就労ビザが狙えない人は働けるビザを目指す
就労ビザとよく似たタイプのビザに、トレーニングビザや超短期のビザがあります。
同じように働けるビザで条件もゆるいので取りやすい。もし就労ビザが狙えないのであれば働けるビザを狙うのも手としてアリです。
トレーニングビザ・超短期のビザは働ける条件が6ヶ月以内の制限があったり、給料がかなり低くなってしまいます。
ただ、オーストラリアに移住することを第一の目標とした場合はとりあえず入国することを優先したほうがいい。
ぶっちゃけ、上2つのビザで会社から信頼を勝ち取れば本命の就労ビザも夢ではなくなります。
その他にも学生ビザやワーキングホリデービザで入国すれば働くことも可能。
オーストラリアで何がしたいのか?その先を見据えた時に踏み台的なビザを使うのは移住・永住へのテクニックとも言えます。
まとめに入りますが、就労ビザにはある程度の職歴・英語力が必要です。ただそれがなくても別の働けるビザでとりあえず入国してそこから就労ビザを狙うことも可能。
ストレートに狙うよりも変化球で狙う事も考えましょう。
ありがとうございました。
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