こんにちは、永住を可能にするウメ太郎です!
カネならいくらでもある。投資するから永住権をくれ。なんて言葉をいつか言ってみたいものですね。
オーストラリアは経済の発展を促すために投資による永住権を発行しています。
ただ、このビザは移民の専門家からは失敗作として罵られている現実も。投資額が高いというのもありますが、ビザの仕組みそのものに欠陥があるみたいですね。
それでも、一応需要があるので今回はこの投資型の永住権について考えていきます。
それでは今日もアツく語り合いましょう!
*記事中の日本円表記は1ドル72円で計算しています。
- 投資で永住権を狙える5つのビザ
- スタンダード投資
- 重要セクション投資
- 上級セクション投資
- ビジネス・イノベーション
- 起業ストリーム - 投資に必要な最低限の金額
- 投資型の永住権は不人気
- 最後に、投資型永住権の将来は
投資で永住権を狙える5つのビザ
まず投資というとお金を株に投入するイメージがありますが、オーストラリアではもっと広い意味で使われていて、会社を起業するのも投資に入ります。
投資ビザで永住を狙うには、まず投資をする形で滞在期限があるテンポラリー・ビザを取り、その後、一定期間を経て永住権の申請ができるようになります。
投資をすればすぐに永住権がもらえるわけではなく、一定期間、投資を続けなければなりません。
したがって、永住権までに掛かる年数は、ほとんどのケースで4年以上です。
ザックリと大きな流れをフローにすると
投資の種類は5つ
投資の方法によってビザの申請方法は5つに分けられます。
会社を起業するタイプが2つ、あとは小規模から大規模な投資をするタイプが3つです。
まずは株式に投資するビザを3つ見ていきます。
スタンダード投資
Investor streamと呼ばれていて、150万ドル (1億1千万相当)のお金を株式に投資することで永住権の道が開かれます。
大きなポイントは
- 投資用のポイントテストで65点以上
- 225万ドル (1億6千万円相当)の資産
です。
ビザの申請には政府系ファンドからのノミネーションが必要です。
投資を最低4年しつづけることで永住権を申請できます。
重要セクション投資
Significant Investor streamと呼ばれている永住権で、前出の投資ストリームとほぼ同じ申請内容です。
ただ、投資金額は500万ドル (4億4千万円相当)にアップ。
永住権の申請には投資を最低4年間し続けます。また英語力の証明も必要で、Functional English、IELTS相当でオーバオール4.5が必要です。
ビザの申請には政府系ファンド、AusTradeからのノミネートが必要です。
上級セクション投資
Premium Investorと呼ばれていて前出の重要セクション投資ストリームと申請内容が似ています。
投資が必要な金額は1500万ドル (11億円相当)です。
こちらの投資型永住権も英語力の証明が必要で、Functional English、IELTS相当でオーバオール4.5必要です。
このビザ最大のメリットは、永住権に必要な投資期間は12カ月なところ。
申請には政府系ファンド、AusTradeからのノミネートが必要です。
ビジネス・イノベーション
Business Innovation and Investmentビザと呼ばれていて、すでに会社を運営しており、オーストラリアに事業を展開するケースが当てはまります。
ただ、会社を始めるだけでなく、従業員を雇わなければなりません。
ビザの申請条件は投資用のポイント制が採用されており、65点以上になると申請ができます。
その他、大きなポイントは2つ
- これまでの経営実績
- 80万ドル (6千万円相当)の資産
です。
起業ストリーム
Entrepreneur streamと呼ばれていて、これからオーストラリアで会社を新しく始める方が申請の対象です。
ビジネスに投資する金額は最低20万ドル (1450万円相当)です。
その他にも、政府系エージェントからのノミネーション、事業計画書の提出が必要です。
ビザの申請にはインビテーションを受けますが、これはスキルセレクトを通して行います。このあたりは他のポイント制永住権と仕組みが似ていますね。
次のページ > ポイント制のビザを目指すならスキルセレクトとEOIから知ろう
投資に必要な最低限の金額
5つの投資型永住権を紹介しました。それぞれ投資するお金の金額が違いましたが、その金額はあくまでも最低金額です。
実際の投資額は最低金額の1.5倍は見ておいたほうがいいでしょう。
例えば重要セクション・ストリームを選択してビザを申請する場合、ほとんどの方が書類上の500万ドルよりも多い870万ドル以上を投資しています。
オーストラリア政府としては、投資を促すことで経済を発展させたいと考えているので、「お金さえ払えば永住権が取れる」と、勘違いしないようにしましょう。
投資型の永住権は不人気
実は、投資系の永住権はほとんど申請者がいません。
たとえば、重要セクションの投資ビザは、リリースされた2012年に1746人の申請者がいましたが、申請者の数が年々減り続けて2017年にはたったの312人しか申請しませんでした。しかも申請者の9割は中国人です。
残りの国は南アフリカ共和国、マレーシア、ベトナムなどの地域。
他にも起業ストリームを使った投資ビザでも同じことが言えて、中国、香港、ロシア、ウクライナ、イギリスに住む方が申請されていますが、いずれも家族を含めて5人未満です。
プライマリー申請者はひとりか二人です。
日本人で投資ビザを使って永住したという情報はどこにも載っていなく、もしかするとだれも申請していないのかも知れませんね。
最後に、投資型永住権の将来は
大失敗だ!と各種方面から批判されている投資型の永住権ですが、州政府側としては投資件数は少なくても、1件あたりの金額が大きいので廃案にはしたくない模様。
この永住権をどうやって生き返らせるのかというところに注目が集まっています。その中で南オーストラリア州は特に投資による永住権の起死回生に力を入れていて、独自の投資型の永住権ルールを作って試験的に運用しています。
この試験運転が成功すれば、他の州も追従する形で投資型の永住権がより申請しやすく永住しやすい条件に変っていくと思われます。
年収が1000万円くらいの、アッパーミドル層の方でも投資ができる内容になればこの永住権も盛り上がってくると思うのですがね。
ありがとうございました。
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参考にした記事:Business Innovation and Investment visa, Business Innovation and Investment (Permanent) visa