もしも政府公認ビザエージェント(コンサルタント)を利用して申請、発行されたビザがキャンセルされたら?オーストラリアのエージェントの中にはエージェントとして政府から認められているにもかかわらずリスクのかなり高いビザ申請をするところもあります。
そんな移民コンサルタントを選ぶと将来的にビザがキャンセルされるかもしれません。
今回の記事はある女性(Aさん)が経験した合法なエージェントを使い発行されたビザがキャンセルされる体験談について書いていきます。
それでは今日もアツく語っていきましょう!参考にした情報:Indian woman cheated by a migration agent in Australia
- ビザ申請までの経緯
- 政府公認エージェントが不正をしていた
- 不正の内容
- Tips|可能性のないビザをすすめてくるエージェント - 不正の発覚とビザのキャンセル
- 不正が発覚したビザの運命 - 裁判所にアピール
- 今後の考えられるボクたちへの影響
- オーストラリア移住へのアドバイス
ビザ申請までの経緯
Aさんはオーストラリアに移住するために大学でヘアードレッサーを学んでいました。ただ彼女は妊娠をしてしまい予定通りに卒業できなくなりました。そんな彼女は学生ビザの延長を考えていました。そこで利用したのがこれから問題になってくるビザコンサルタント。
オーストラリアのビザ代行業者としてS&S Migrationを経営していたJさんとJさんの奥さんはAさんに卒業ビザの提案をします。ただ彼女はヘアードレッサーとしてのコースを終了していないので技術査定に合格できません。
エージェントは落ちている技術査定の証明書で構わないので提出しようと話を持ちかけます。これがビザキャンセルの始まりだったわけです。
この記事を読んで他人のこととは思えませんでした。実はボクも似たような経験があります。ある日本人ビザコンサルタントとの中で確実に合格していない技術査定の結果でも「出してみないとわからない」と言いい、ビザ申請をすすめてきました。結果的にボクはそのエージェントを信頼できなくなり別のエージェントを使うことにしたのは後の話。
それはさておき、Aさんの場合は卒業ビザを申請することにしました。
政府公認エージェントが不正をしていた
そのエージェントはFalseの査定証明書を「合格した」として落ちている技術査定のレファレンス番号を移民局に提出しました。
オーストラリア移民局はエージェントを信頼していたのでしょうか。まさかFalseドキュメントが提出されていると思わずに書類の中身を深く確認せずビザを発行してしまったのでしょう。
不正の内容
この会社と運営者のJさんは、MARAに登録されていてビザ代行エージェント(移民コンサルタント)として合法的にオーストラリアで活動が許されていたのですが、不正をします。どのようにしたのか?
会社とJさんはエージェントとして申請したのではなくAさんとしてなりすまし、ビザ申請をしたのです。このときに移民局とのコミュニケーションを新しく作ったメールアドレスにしJさんはなAさんとしてやり取りをしていました。
上手な不正の隠し方だと思います。エージェントとして代行申請するのではなく申請者本人として申請するなんてなかなか賢いやり方。
「なりすまし」のような手の混んだ不正をしなくてもお金もうけのためにビザ申請を無理にでもすすめてくるケースもあります。
Tips|可能性のないビザをすすめてくるエージェント
オーストラリアの法律ではビザ申請者のお金は政府が管理する専用の口座にまず入金します。ビザ申請後にはれてエージェントはお金を引き出せる仕組みで、移民局にビザやEOIなど提出しなければ「売上」としてお金が入ってこないのです。
そういう状況もありビザエージェントは合格する見込みのないビザをすすめたり、嘘をついてまでビザを申請しようとするのです。
不正の発覚とビザのキャンセル
Jさんの奥さんがどこまで不正に加わっていたのかは疑問がのこります。事実として言えることは彼女は移民局で働いていました。その奥さんは移民局から門外不出の資料を勝手に持ち出しなんとインターネットで公開。移民局が書類の持ち出しに気づきだしたタイミングでJさんと国外逃亡しました。
大胆ですね。
不正が発覚したビザの運命
移民局は不正をしていたJさんとその会社が提出したすべてのビザ申請を洗い出し、不正が発覚したビザすべてをキャンセルしました。
このエージェントからビザが発行されたのはおよそ1,300人も及びます。エージェントにお願いした人たちの中には不正を知ってか知らずかの人もきっといたはずです。
裁判所にアピール
Aさんはその1,300人の中のひとりでした。彼女は技術査定をパスしていないことや「なりすまし」で申請されていたことが知らないことを理由に裁判をします。
それが2011年より後のお話ですが、裁判の結果が先日出ました。
裁判は彼女を支持しました。ビザがキャンセルされることを防いだのです。
今後の考えられるボクたちへの影響
オーストラリア連邦政府の首相は移民局資料の不正持出しと不正なエージェント業をしていたJさんに触れながら、ビザの基準を満たさない人たちのチェックを真剣に考えると宣言しています。
ボクが考える今後のシナリオとしては、ビザ申請書類のチェック強化とそれによって引き起こされるビザの審査期間の延長です。
チェックが厳しくなるということは移民局のケースオフィサーの審査にかける時間が増えることにつながるのでビザ申請費用がさらに上がることも考えられます。
そしてなにより、ビザの申請条件そのものをさらに引き上げるのではと考えています。
外部ソース: Visa fraud suspects fled after wiring $1m overseas
オーストラリア移住へのアドバイス
今回は政府公認ビザコンサルタントがその立場を利用しながら不正をしていましたが、日本でもそれに似たようなケースはあります。
これまでに何度も言っているようにビザエージェントや留学エージェントはボランティア団体ではありません。
ビジネスとして経営をしているわけですから、オーストラリア移住をするためのベストなコンサルタント(アドバイス)をボクたち移民希望者に言わず、目先のビザ申請をすすめてくるケースもあるのです。
そうしたエージェントにあなたの人生を預けられますか?
エージェントを使うメリットもたくさんあります。ただエージェントだから大丈夫だと思うのはキケン。
移住プランと同じように自分で考え調べて、その中で時間の節約のためにビザエージェントを使うのはありだと思います。
エージェントに丸投げはゼッタイに避けたいところですね。