法改正があったサブクラス457ビザから永住権はできるのか?申請条件は?
オーストラリアにはたくさんのビザがあり、その中でも人気のビジネスビザは永住権への道があるので人気です。
サブクラス457 (S457)ビザから永住権を申請ができますが2018年の法改正のこともあり永住権を目指す人たちの間ではよくあがる話題。
ネットで調べてみても法改正の影響を考えた上での永住権の方法を紹介している記事は少なかったので今回はこのS457ビザから目指せる永住権を紹介していきます。
注意!S457ビザは2018年に新しくTSSビザ(就労ビザ)として生まれ変わりました。今後、S457ビザは申請ができません。新しくできたTSSビザから永住権を目指方法は「オーストラリアで働くために必要な就労ビザの取り方教えます。【難易度は中】」で詳しく書いています。
話が少しそれましたが、それでは今日もアツく語っていきましょう!
- S457ビザからENSビザ
- テンポラリー・トランジション
- ダイレクト・エントリー - S457ビザからRSMSビザ
- テンポラリー・トランジション
- ダイレクト・エントリー - S457ビザから州政府指名ビザ
- S457ビザから技術独立ビザ
- 移住へのアドバイス
S457ビザからENSビザ
ENSビザ(S186)は会社からのスポンサーありきで申請できる永住権です。人口がある程度いる都市圏で申請ができるビザでもあります。
ENSビザはボクも申請した永住権の一つで、働く会社に永住権のスポンサーになってもらえるかどうかがオーストラリアに永住できるかのポイントです。
申請方法は数年住んでからビザ申請するテンポラリー・トランジションとすぐにビザ申請できるダイレクト・エントリーの2つの方法が選べます。
それぞれ見ていきましょう!
テンポラリー・トランジション
2年間にわたって同じ会社で働いた後に永住権を申請するのがテンポラリー・トランジションの方法。正しくはテンポラリー・レジデンス・トランジション・ストリームと呼びますがとても長いので勝手に短縮しました。
オーストラリアではビザの申請方法はストリームやサブクラスによって変わってきます。それについては「オーストラリアへ移住するなら知っておくべき【用語】subclassとstreamは?移住計画に使える」で詳しく説明しています。
そして、今どのビザを持っているか。あたりまえですがS457ビザを持っていることです。当然ですね。
年齢制限は50歳未満。
またスポンサーとなる会社様は年間の売上によってお金を支払わなければなりません。このお金はオーストラリアの若者に技能を習得させる基金として使われます。ただ、作業的にはオーストラリアの教育訓練局に振込をする形で完了。お金の問題です。*
* Skilling Australians Fund(SAF) levyへの支払い
最後に要となるのが英語力の証明。IELTSのスコア 6が必要です。
オーストラリアで永住権を目指すにはほとんどのケースで英語力の証明が必要。特に仕事能力をベースに申請するタイプの技術系ビザでは必ず英語力の証明を必ず求められるので早めに英語勉強しましょう。
関連記事: 技術移民?知っておきたい8つの技術系ビザの説明!
2017年4月19日以降に申請した方へ
記事の初めに法改正があったと言いました。このテンポラリー・トランジションを使った申請方法は2017年4月18日までにS457ビザを申請したかどうかによって微妙にビザ条件が変わってきます。
もし今お持ちのS457ビザを2017年4月19日以降 (19日含む)に申請した場合は上の条件に加えて次の条件が求められます。
- 最低3年のお仕事経験。
- 年齢制限が45歳未満。
この技術査定 (スキルアセスメント)は、お仕事経験とその年数を資格として換算してくれる作業です。学歴や経験年数、お仕事内容によって実際の年数が認められないケースがあり、お仕事の業種によって査定する機関 (会社)が変わってきます。
技術査定については「オーストラリアでお仕事系ビザの申請に必要な技術査定(スキルアセスメント)やANZSCOとは?」で詳しく説明しています。
ダイレクト・エントリー
同じ会社に2年働かずに永住権を申請できるのがダイレクト・エントリーです。正式名称はダイレクト・エントリー・ストリームですが長く読みにくいので短縮しました。
この申請方法は2年間にわたって同じ会社で働かなくても良い反面、お仕事経験の証明 (技術査定)が必要です。
主な申請条件は
- 最低3年のお仕事経験
- 年齢制限が45歳未満
- IELTS 6のスコア
お仕事経験は前にも説明した技術査定を通して証明します。ただ、その職業は中・長期的な戦略職業リスト(MLTSSL)に載っているお仕事でなければなりません。
職業リストについては「オーストラリア移住に欠かせない5つの職業リストと全ての職業一」で詳しく説明しています。
英語力の証明は5つのテストから選べます。IELTSやPTEがメジャーなテストとして人気があります。過去にPTEとIELTSのテストを同時に受けましたがスコアに違いはでませんでした。
次のページ > テンポラリーレジデンス・ストリームとダイレクト・ストリームの違いは?どっちを狙うべき?
S457ビザからRSMSビザ
RSMSビザはENSビザの田舎版です。申請条件は前の章で説明した「S457 → ENSビザ」とほぼ同じです。ここではちょっとした2つの違いを主に説明します。
申請方法はテンポラリー・トランジションとダイレクト・エントリーの2つに分かれています。テンポラリー・トランジションの申請はENSとまったく同じです。
テンポラリー・トランジション
同じ会社で2年働くことで申請ができます。申請の主な条件はENSとビザと同じです。
ただし、2018年4月19日以降にS457を申請した方はENSビザと同じように技術査定が必要です。
申請条件は
- 2年同じ会社で働く
- 英語力の証明 (IELTS 6 以上)
- スポンサーが政府基金に寄付する
です。
ダイレクト・エントリー
すぐに永住権の申請ができる方法です。ダイレクト・エントリーではENSビザと比べて2つの大きな違いがあります。
まず、その地域でスポンサーとなる申請者の職業が不足していることを証明するRCBの提出が必要です。これは専門の会社に依頼します。
RCBについては「RSMSのダイレクト申請に必要なRegional Certifying Body (RCB)」で詳しく説明しています。
また、技術査定の際の職業リストはRSMSビザ用のリストが用意されていて、そこに載っている職業での査定が必要です。
その他の条件はENSのビザと同じです。
S457ビザから州政府指名ビザ
州政府からのスポンサーありきで申請するビザが州政府指名ビザです。移民局ではサブクラス190と呼ばれています。
S457からでも州政府指名ビザを狙えます。
このビザはポイント制の永住権で自分の能力をポイントに換算して65点以上になると永住権の申請条件を満たせます。
ポイント制のビザについては「オーストラリア、ポイント制の永住権で知るべき事。2019年版」で詳しく説明しています。
ビザ申請までの流れは
- EOIの提出
- 州政府からのインビテーション
- ビザの申請
の3つの流れを順番にクリアしていきます。
州政府指名の永住権については「ポイント制でも取りやすい技術指名ビザとは?条件や手続きの流れ!」で詳しく説明しています。
S457ビザから技術独立ビザ
だれからのスポンサーも必要としない永住権が技術独立ビザです。このビザは州政府指名ビザで説明したように自分の能力をポイントに換算して65点以上になると永住権の申請チャンスができるビザです。
移民局では技術独立ビザのことをSkilled Independent Visa:Subclass 189)と呼ばれています。
このビザは州政府や会社から永住ビザへのスポンサーを必要なしに、自分の能力だけで申請ができるのが強みですが、申請のための条件が高いことです。
S457ビザからこの技術独立ビザを申請するには職歴ポイントを稼ぐためになるべく長く働くことがポイント。
技術査定も必要で中・長期的な戦略職業リスト(MLTSSL)に載っている職業しか受け付けていません。ある程度計画性をもって行動する事が近道になるでしょう。
技術独立ビザは「レベル高っ!人気のポイント制永住権をまとめる!条件や費用など」の記事で詳しく説明しています。
移住へのアドバイス
S457から技術査定なしで目指せる永住権は2つ。都市用のENSビザと田舎用のRSMSビザでしたね。特にテンポラリー・レジデンスが永住権へ楽で近い道だと思います。
ENSビザとRSMSビザの違いは「RSMSビザとENSビザの違いは何か?地域によってビザ申請をわけるのがコツ」でも詳しく説明しています。しっかり読んで自分にあったビザほうを選んでください。
S457からENSビザやRSMSビザを申請する方へ。2017年4月18日までにS457ビザを申請した方は技術査定なしで永住権を申請できるのが強み。かならずテンポラリー・トランジションを使って永住権を申請しましょう。それ以降の方が永住権を取得するのには技術査定がかならず必要です。
S457ビザから4つの方法でオーストラリア永住権を目指せるので、職歴や英語力が申請条件を満たしているか確認しながらベストな移住プランを選ぶと良いでしょう。
オーストラリアに移住したいと思うすべての人に幸運を。
次のページ > 信頼できない移民エージェントの特徴とリアルな失敗談
参考にした記事: 457 to PR (Permanent Residency)