オーストラリアのビザの中にはアシュアランスサポートと呼ばれている申請が事前に必要なものがあります。
アシュアランスサポートはビザを申請する人に対して政府がサポートした手当のすべてを引き受ける約束です。
家族をオーストラリアに引き寄せるビザが主だった対象になっています。
今回はこのアシュアランスサポートの目的や対象になるビザ、そしてどれほどの負担が必要になるのかについて書いていきます。
アシュアランス(Assurance)とは?
英語では生命保険や約束と訳されますが、移住の範囲では政府が移民に負担する費用を肩代わりする約束(義務)を負うことです。
親引き寄せビザなど、一部のビザではアシュアランスサポートが必須になっているものがあります。
アシュアランスサポートの目的は移民後に医療に掛かる可能性が高いビザを申請する人に対して政府負担を無くすことなのでしょう。
したがって、アシュアランスサポート期間は滞在中の期間と同じになっています。
豆知識
アシュアランスサポートでは、お金を負担(サポート)する人のことをアシュア (Assurer)と呼び、サポートを受ける側をアシュイ(assuree)と呼びます。
対象のビザ
具体的にアシュアランスサポートが必要になるビザは次の5つになります。
- Aged dependent relative visa (Subclass 114)
- Contributory Aged Parent visa (Subclass 864)
- Aged Parent visa (Subclass 804)
- Remaining Relative Visa (Subclass 115)
- Community Support Program(CSP)
CSPより上のビザは親引き寄せビザです。
その他、アシュアランスサポートが必須ではないけれども、ケースオフィサー(ビザの審査官)の判断次第では別途必要になるビザもあります。
- 養子ビザ
- 子供に関するビザ
- 以前に住んでいたがビザが失効した
- 18歳未満の孤児
お金を全面的にサポートする
アシュアランスサポートが必要になる親引き寄せビザは永住権が対象です。
オーストラリアでは永住権の保持者にメディケアや市民と同じ各種手当を平等に与えているのですが、「親=高齢」になるため、政府が目論む移民からの収入より出費の方が多くなる。
「移民はビジネス」と政府は堂々と公表している通り、移民を受け入れる目的は「お金」です。
移民させて、医療費などの出費で経済的にマイナスにならないようにアシュアランスサポートを設けて政府負担をゼロにしているんですね。
したがって、アシュアランスサポートではアシュアになるための条件が設けられており、基本的にインカムテストが必要になります。
アシュアになる条件
アシュアになるにはオーストラリアの市民権、永住権を持っている人であることです。また18歳以上でなければなりません。
さらに本当に政府からの金銭的なサポートを肩代わりできるかどうかテストするために去年度と今年度ともにインカムテストに合格する必要があります。
インカムテストはその名の通り、自分の所得がある一定以上であるかどうかのテストです.
経済力の証明にはインカムテスト
ビザのスポンサーがオーストラリアに呼び寄せる親族の金銭的サポートを十分できるだけの所得があるかどうかチェックするのがインカムテスト。
インカムテストでは「家族の構成」や「金銭的サポートをする人数」によってテストにパスするために必要な収入が変わってきます。
当然、親ですから、ほとんどの方の年齢は50代以降担っていると思われます。もしかすると高齢で歩くのも困難な状況かもしれません。
そうしたことも踏まえて定期的に掛かるであろう医療費を十分にまかなえる収入を得ているかどうかが審査をパスするポイントになります。
センターリンクのHPから自分がアシュアになれるのかどうか確認するためのページが用意されています。
選択式で解答していくのでとっても簡単に結果がわかります。
また、所得があるだけではなく、ある程度のお金を政府に預けることも必要です。
アシュアランスに必要なデポジット
あらかじめオーストラリア政府にお金(デポジット)を預けなければなりません。これは口座保証(Bank Guarantee)と呼ばれています。
このデポジットは親引き寄せビザの方が滞在できる期限と同じかそれ以上の年数の間、預けておく必要があります。
期間は、2年、4年、10年の3種類。
保証金は親を引き寄せるビザの有効期限によって変わってきます。
2年から4年のビザの場合
オーストラリアに引き寄せる人数が
- 一人の場合は$5,000
- 二人の場合は$7,000
ビザの有効期限が10年の場合
オーストラリアに引き寄せる人数が
- 一人の場合は$10,000
- 二人の場合は$14,000
です。
上記は個人がアシュアになる場合の金額で、NPOなど組織がアシュアになる場合は
- 2年、4年の場合で$10,000
- 10年の場合で$20,000
必要です。
アシュアになるための申請
アシュアになるための申請はオンラインからできます。まずはmyGovアカウントにセンターリンクを追加してください。
申請に必要な書類は下の通り。
- Customer Reference Number (CRN)
- Australian residence statusが分かる書類
- 直近2つのPayslipsを提出
- 年収が記載されている雇用証明書
(レターヘッド付きで社長と会計担当者からのサインが必要) - 前年度の収入が分かる書類
(Tax Assessmentなどが最適ですが税務局から取り寄せが必要)
Australian residence statusはVEVOからビザの詳細状況のページを印刷してスキャンすれば完了です。または入国状況の証明書を移民局から発行してもらってもできます。
申請が終わりアシュアランスサポートととして認められると書類が発行されるのでそれを移民局に提出してください。
まとめにはいります。いかがたでしょうか。
これからオーストラリアに親を引き寄せる場合に掛かるアシュアランスサポートとその責任の重さについて少し感じられたと思います。
具体的なデポジットもあるのでそれなりのお金は必要。
この記事がこれからアシュアランスを通してご両親をオーストラリアに引き寄せたいと考えている人に参考になれば幸いです。
オーストラリアに移住したいと思う人に幸運を。
ありがとうございました。
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