オーストラリアでビザが発行され無事に入国できても条件によってはビザがキャンセルされて強制送還になります。
特に学生ビザのキャンセルと強制送還は増加傾向です。これ以外にも訪問ビザ(観光)の取り消しと強制送還も多くの割合を占めています。
ビザがはく奪されるもっとも多い理由は犯罪、虚偽の申告、そしてビザコンディションを違反の3つが主な原因です。
今回はビザが取り消しされて強制送還になる理由について書いていきます。
参考にした外部リンク: Cancelling a visa
- 強制送還になる理由
- 罰金支払を拒否すると強制送還の対象 - 学生でも強制送還される時代
- コースを変更したのに無申告
- 予定より早く卒業したら?
- コースをまとめた人
- ビザのキャンセルはあくまで原則論
- 通報されて強制送還いきに - 入国できずにそのまま強制送還も
- 意外な落とし穴
- 一度でも強制送還されると
- 強制送還前に出来ること
- 最後に、行動は慎重に
強制送還になる理由
移民局は公式に次の3つのどれかに当てはまると、ビザをキャンセルし、強制送還するための判断を始めます。
- ビザのルール違反(ビザコンディションの違反)
- 超がつくほど怪しい事をした人(人物テストに不合格)
- ウソつき(ビザ申請時に虚偽の報告)
人物テストは過去の犯罪歴を元に審査されます。これは性格診断(キャラクターテスト)と呼ばれています。
オーストラリア滞在中に犯罪を起こしたり、何らかの原因で刑務所に服役している場合、12ヶ月以上の懲役が確定している場合は強制送還の対象になります。
罰金支払を拒否すると強制送還の対象
交通ルールの違反の罰金を支払わない場合も強制送還の対象に。
オーストラリアで負うべき罰金や負債などは滞りなく支払うことが安全にオーストラリアにステイできるコツですね。
こういった犯罪系はあまり身近でないかもしれません。ボクに一番といっていいほど身近な強制送還の理由は学生ビザ。この学生ビザのキャンセルに伴う強制帰国はここ数年で増加傾向です。
学生でも強制送還される時代
この数年でビザのキャンセル件数が2倍になりました。これは学生ビザで不法労働や移住目的で申請するケースが増えているからです。*
* ビザ取り学校の取締も2018年から厳しくなり、語学学校では出来なくなりました。
また、学生ビザには授業をフルタイムで受けなければならないコンディションがあります。このルールを守れなかった人も強制送還の対象に。
実際にネットで調べてみると日本人でビザがキャンセル→強制帰国になるケースもありました。
その他にもあまり知られていないルール違反は
コースを変更したのに無申告
学生ビザにはどの学校のどのコースなのか、ビザ申請の時に申告しますね。
ビザが発行された後に別のコースに変更した学生さんが移民局に変更届をださなかった場合もビザがキャンセルされます。** コースを変更するには、Confirmation of Enrolmentを更新する必要があります。
また、コースの終了日から3カ月以内に出国するか、28日以内に別のビザを申請しないとルール違反に。
予定より早く卒業したら?
この場合はコースが終わった日から3カ月以内に出国するか別のビザを申請する必要があります。
たとえビザの有効期限がまだ少しあったとしても不法滞在となるので見つかると出国させられます。
コースをまとめた人
コース間の空白が2カ月以上あくと違法になります。ビザの取り消しになるので学校側と相談してください。*
* アカデミック・イヤーの区切りでコースが終了・開始する場合は2カ月以上空いてもOK。
コース変更や、予定日より早くコースを卒業をする場合は、ビザコンディションを違反しないかどうか確認することが大事です。
ビザのキャンセルはあくまで原則論
学生ビザのキャンセルの目的は移住目的かどうか。そんなビザ本来の目的どおりに過ごしていない人たちをオーストラリアから追い出すために取り締まっています。
なので、たとえ強制送還になるようなビザコンディション違反でも移民局の担当官によっては大目に見てくれることも。
実際に移民局の公式見解を見ていくと、学校での出席・成績優秀者はそんな事態になってもキャンセルを免れるケースがあるとのこと。
移民局のページから |
移民局は学生を勉強目的か、滞在目的か判断している事が分かります。まじめに勉強しましょう!
通報されて強制送還いきに
移民局だけがビザの発行拒否、キャンセルそして強制送還できるパワーを持っています。
ただし、これにはトリックがあります。雇用主やDVの被害者の家族が移民局に通報することで間接的にビザをキャンセル(強制送還)を引き起こせます。
こわ。
入国できずにそのまま強制送還も
強制送還は入国監査の時点でも行われます。おもに持ち込み禁止品や不法労働の疑い、児童ポルノの所持が多くを占めます。
入国監査でビザがキャンセルされた場合も移民拘留センターとよばれるところに連れていかれて日本に強制送還がされます。
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意外な落とし穴
ビジネスビザや永住権の申請をする際にスポンサーが必要となるケースがあります。その申請にかかる費用はスポンサー負担になります。このスポンサーシップ申請費用をビザ申請者が支払った事が発行後に発覚するとキャンセルされる可能性があります。
ただし、これは発覚しても必ず強制送還行きになるわけではありません。
移民局はその人がどれだけオーストラリアにとって価値があるのかを見極めて判断を下すとしています。
一度でも強制送還されると
ビザが一度でも移民局からキャンセルされた場合、今後のビザ申請にネガティブに影響が出ます。おそらく永住権や市民権の獲得は難しいでしょう。移民局でもその事についてハッキリと書かれています。*
* 自分でビザをキャンセルした場合は問題がありません。
キャラクターテストの結果が原因でビザがキャンセルされた場合、その人は二度とオーストラリアに入国することが出来なくなります。
強制送還前に出来ること
仮にビザがキャンセルされた場合、28日以内に異議申し立てをすることが出来ます。移民局を説得させられる資料を提出できればキャンセルは取り下げされます。
ただし、キャラクターテストで不合格になった場合はかなり高い可能性でキャンセルは確実になります。
もしビザがキャンセルされた場合、自分で解決しようとは思わず移民エージェントを頼ることをオススメします。
ちなみに、異議申し立てをした後にお持ちのビザ有効期限が切れた場合、Criminal Justice visaが発行されます。
最後に、行動は慎重に
一度でも移民局から強制送還のターゲットにされてしまうと、その後のビザ発行が拒否されるケースがあります。不本意なトラブルに合わない為にも事前にVEVOを通してオーストラリアでの滞在条件を確認した方が良いでしょう。
仮にもし、ビザがキャンセルされた場合、必ず移民エージェントを通して異議申し立てを行ってください。そうしなければオーストラリアでの永住は夢が立たれることになります。
自分のビザの条件を知ることはオーストラリアでで永住を目指すうえで基本中の基本なのかもしれませんね。