ドメスティック・バイオレンスをしたインド人がオーストラリア移民局の留置所で過ごしています。
シーフ君は2016年10月にオーストラリアに到着してから、結婚相手の同じインド人の妻に対してお腹を殴り、手で鼻を抑えて避妊薬を強制的に飲ませた容疑がかけられています。
面白いのは、シーフ君は40,000ドルを妻に支払い学生ビザをサポートした経緯があり、実は妻が結婚詐欺をしているのではないかという疑惑があるんですね。
結局、ドメスティック・バイオレンスにとっても敏感なオーストラリア政府はシーフ君の妻が移民局にDVのレポートをした後に彼のビザをキャンセルしました。
オーストラリア移民局によるとシーフ君はオーストラリアに到着後1ヶ月後にドメスティック・バイオレンスを始めたらしく通報を受けた移民局は妻を守る為に直ちに留置所に入れ、さらに4ヶ月後の2017年3月に彼のビザをキャンセルしました。
大学費用、4万ドル支払いビザがキャンセルされたその経緯
シーフ君は当初、妻とオーストラリアで生活するために結婚をし、そして彼女の大学費用と渡航費を全て支払いました。
総額4万ドルを彼女に支払い、生活費まで支払っていましたが、オーストラリアに入国後1ヶ月足らずでDVされたと移民局に報告をされ、ビザがキャンセルされました。
彼はたったの24日しか彼女と住むことが出来ませんでした。
ビザがキャンセルされると不法滞在に。不服申し立てに勝てばブリッジングビザEが付与される
オーストラリア移民局がビザをキャンセルした時点で不法滞在になります。その場合、オーストラリアを去るまでの間も何らかのビザが必要になり、ブリッジングビザEを申請する必要があります。
シーフ君の場合は、強制滞在になった後、「不服申立て」制度を利用して移民局に無罪を主張しました。彼はブリッジングビザEを申請しましたが、DVという疑惑は証拠がなくても、可能性というだけで拒絶されました。
DVは言ったもんがち
体にアザなどがない場合でも、DVをされたと言ってしまえば信じてもらえる可能性が高い事がこのニュースで証明されました。
シーフ君はドメスティック・バイオレンスを真っ向から否定して不服申立てを行い、ブリッジングビザEの申請は拒否されたものの、彼の妻はDVの証明が出来ずに、「本当にDVは合ったのか?」という事で、シーフ君に課せられていた罰金が取り下げされました。
ドメスティック・バイオレンスというのは、アザなど証明することが出来なくても、それがもし事実だった場合の事を考えて、言ったもの勝ちになるということがわかります。
シーフ君は、DVの疑惑があるだけで、ビザがキャンセルされて強制退去になるなんて違法だと憤慨していますが、気持ちはとってもわかりますね。
シーフ君を弁護する移民エージェントは、「罰金が取り下げられたということは、DVの可能性がかなり減ったという証拠だからブリッジングビザEが付与されるべきだ!」と移民局に報告しましたが、移民局は回答を拒否しました。
オーストラリアでの偽装結婚の代表例
オーストラリアで横行している偽装結婚。身近なものでパートナービザを申請する為に彼氏・彼女を見つけて結婚・デファクトするという方法がありますね。
パートナービザだけでなく、学生ビザの申請でも使われています。
「ビザ取り学校とは、今と今後のリスク。4つのメリット・デメリットを知る」の記事でも紹介しましたが、これまで誰でもビザ取り学校に入ることが出来ましたが2018年からある程度の英語力が必要になりました。
ビザ取り学校に行く為に、入学条件をクリアできるパートナーと偽装結婚をして移住したりします。
シーフ君の場合は大学だったわけです。
シーフ君は一人でオーストラリアに移住することが出来なかったために、妻からお金を巻き上げられて最後には捨てられたようですね。
可愛そうなシーフ君。今後どうなるのでしょうか。
今回の記事は「‘I paid $40,000 to marry a woman with Australian student visa’」 を参考にしました。