オーストラリア政府がいま、力を入れている地方への移住。その地方で取れる永住権といえばRSMSが有名ですね。
このRSMSはRegional Sponsored Migration Scheme visa (S187)の頭文字をとったもので田舎ビザとも呼ばれています。申請条件のポイントは人口が少ない都市で仕事が見つかれば永住への可能性がぐんと高くなるビザ。
今回はRSMSビザの申請条件や今後の移民法でどう変わるかなどについて書いていきます。
それでは今日もアツく語りましょう!
- RSMSビザについて
- RSMSビザの申請条件がゆるい理由
- 間違えやすいよく似たビザ - RSMSの申請条件は?
- 申請条件をもう少し詳しく
- 仕事に関係する資格
- 年齢
- 英語力
- 申請料金
- 健康証明
- 犯罪歴が無い事
- 市場労働賃金の支払い
- 申請者は2年間同じ会社で働かなければならない
- 5年毎にビザを更新 - RSMSビザはまったく新しいビザに変わります
- 移住へのアドバイス
RSMSビザについて
RSMSとはRegional Sponsored Migration Scheme visa (subclass 187)の略です。
人口が少ない都市に住み、働く事が主な申請条件です。一口に人口が少ない都市と言っても分かりにくいので、移民局から地方の郵便番号の一覧を見つけてきました。
上の画像を見てみると、ゴールドコーストやブリスベン、ニューキャッスル、ウーロンゴン、シドニー、メルボルン、パースなどの人口の都市は対象となっていないことがわかります。
パースは2017年3月13日にRSMS対象の地域が一度外され、その後に再びRSMS対象地域になりましたが、7月頃に再びRSMS対象地域から除外されました。
関連記事:2018年に変わったオーストラリア永住権の内容とこれからの動き
RSMSビザの申請条件がゆるい理由
オーストラリア政府は大都市での人口や渋滞による問題を解決するために地方に移民を入れるような法改正をすすめています。
また、地方都市は人口が少なく、熟練労働者も少ないため、その不足を移民で埋めようとしているのも透けて見えてきます。
人口が少ない地方都市に関係するビザは申請の優先順位が高く設定されていますが、今の所RSMSとENSの審査期間はほとんど同じになっていますね。
間違えやすいよく似たビザ
よく似たビザにENS(Employer Nomination Scheme visa)ビザがあります。ENSビザはRSMSと比べてやや申請の条件が高く費用もすこし高額に。
またENSの職業リストはMLTSSLを使いますが、RSMSはそれ専用の職業リストに載っている職業経験があるかたが対象です。
申請対象の地域にも違いがあります。
ENSビザは申請対象がオーストラリア全域。
RSSMSは人口の少ないエリアが申請対象。
その他、こまかな部分でも申請条件が変わってきます。
次のページ > RSMSとENSの違い教えます。メリットデメリット|2018年更新
RSMSの申請条件は?
地方にある会社でフルタイム労働している事はもちろんですが、その他にも主だった申請条件は、
- 雇用主からビザのスポンサーになってもらう
- 雇用主がスポンサーとして移民局から認可を受ける
- フルタイムで最低3年働く*
* 3年働かなくても申請できる「ダイレクトストリーム」が用意されています。申請条件はスキルアセスメントをパス、IELTS 6のスコアを持つ方
申請条件をもう少し詳しく
申請にはスポンサーが必要になるので、面接の段階からRSMSビザを申請したいと言っておきましょう。
会社がビザのスポンサーになるためには「スポンサーシップ」と呼ばれる認定が必要になります。
移民局にスポンサーシップの申請を提出してから1ヶ月程度の審査期間があるので早めに申請しましょう。
無事にスポンサーシップをパスすれば、具体的に申請者側の問題となります。
で詳細を見てみましょう!
仕事に関係する資格
仕事をするために法律上必要な資格がある場合はその資格証明書の提出が必要です。
Temporary Skilled Shortage Visa (S482)かTemporary Work Visa (S457)を持っている場合は、技術査定が免除になります。*
* 移民局が技術査定を求める場合もあります。経験が少ない場合や職業によっては技術査定が必要になるかもしれません。
* ビジネスビザと呼ばれていますが、その申請のためには職業リストに記載されているコードでノミネートされていて、その技術査定が免除になります。
年齢
45歳未満です。
ただし、「ビジネスビザを経由して申請する場合」や「大学の教授・研究者・専門家」の場合は年齢制限が免除されます。
また、2017年4月17日時点でビジネスビザ (S457)を持っている人の年齢制限は50歳未満です。
英語力
英語力の証明が求められます。*
移民局で受け付けてくれる証明書は以下のテストになります。
- IELTS のジェネラルの各セクションで6.0以上。または
- TOEFL iBTで Listening が12 , Readingが13 , Writingが21 、Speakingが18以上。または
- Cambridge EnglishのAdvanced (CAE) の各セクション169以上。または
- Occupational English Test (OET)の各セクションにてLevel B以上。または
- Pearson Test of English (PTE) Academicの各セクションで50以上
* すべての授業が英語で行われている中学校以上の教育機関で最低5年間フルタイムで受けた場合は免除されます。
申請料金
申請者一人の場合は$3,755です。
18歳以上の家族がいる場合は一人あたり$1,875追加になります。
18歳未満の家族がいる場合は一人あたり$940追加になります。
健康証明
政府が指定する医療機関で健康検査を受けます。だいたい$300くらい掛かります。
犯罪歴が無い事
AFP証明と言われる犯罪歴がない事を証明しなければなりません。
過去10年間に海外に1年以上滞在した場合はその国の無犯罪証明も必要になります。
市場労働賃金の支払い
市場レートと呼ばれる賃金をもらっている必要があります。極端に安い場合は申請に悪影響があります。
会社内に同じポジションの永住権保持者がいる場合はその方の給料と同額程度支払われている必要があります。
申請者は2年間同じ会社で働かなければならない
最低2年以上はビザのスポンサー企業で雇用され続けなければなりません。
5年毎にビザを更新
永住ビザといえど更新制となります。5年に1度は更新をしなければなりません。
また、最近では5年の内3年はオーストラリアで生活をしていなければ更新が拒否される可能性があります。
RSMSビザはまったく新しいビザに変わります
オーストラリア政府は移民を地方に向けるスタンスを強くしておりRSMSビザが2019年11月6日に廃止されることになりました。
これに代わる次のビザは技術地方永住(S191)ビザです。新しくかわるビザではRSMSビザのように直接永住権を申請できません。
永住権へは別の2つのビザを経由して申請することになります。内容を詳しく見ていくと実質的に永住権へ取得期間が長くなることに。つまりRSMSに代わるビザは必ず数年間は地方に住む必要があります。
移住へのアドバイス
地方で狙いやすいRSMSビザ。申請条件も仕事を見つけること、技術査定に合格していることがあげられます。職業についてもRSMS申請に使われる職業リストの内容はMLTSSLと比べてとてもたくさんあります。
ただこのビザは近々廃止予定。とは言えまだ申請のチャンスはあります。政府発表では新しくビザが切り替わるタイミングまでにRSMSビザを移民局に提出した場合は法改正の影響を受けないとしているからです。
このチャンスを逃さずに速やかにスポンサーを見つけて申請することがRSMSを使った移住へのポイントでしょう。