2016年から学生ビザに新しく導入されたGTE(学生理由書)の影響でビザ申請に多少なりとも影響がでてくるようになりました。
留学の目的をしっかりと移民局に説明できない場合は発行が遅れたりリジェクトされたりもします。
ただ、いろいろと調べていくと移民局がGTEの導入を決めた理由も納得のいくのも事実。
今回はGTEとその目的のポイントを知っていくことで学生ビザをスムーズに発行できるヒントになれば嬉しいです。
それでは今日もアツく語っていきましょう!
- GTE(学生理由書)とは
- 移住の手段になっている学生ビザ - GTEに含めるポイント
- 日本の学歴
- 留学先の学校で学ぶ内容と理由
- 現在の雇用主
- 留学後に日本に帰る予定 - 移民局がGTEの中身を見るポイント
- 日本語で資料を作る
- 問題があれば移民局から連絡がある
- GTEをパス→留学したら永住権も手が届く
GTE(学生理由書)とは
本当の入国理由と言えば分かりやすいでしょうか。GTEはGenuine Temporary Entrantの頭文字を取っており学生ビザを使って入国する理由を移民局に提出する書類です。
GTEでもっとも大事なポイントは、「学生ビザ取得の目的が勉強であり永住目的ではない」ことを証明できるかです。
オーストラリアの移民政策は「経験豊富で優秀な労働者」に技術系ビザを発行することで経済を豊かにするスタンスを取っています。
移住目的で学生ビザを取得した人たちは移民政策のスタンスの枠外にあり、さらにパートナービザといったあまり経済的に貢献しない形でオーストラリアに安易に移民しているので政府としても対策を真剣に考え出しているのです。*
* オーストラリアのビザ取り学校の取締強化が2018年の3月頃に始まりました。
また、移住目的で学生ビザを取る人たちが大学の質を下げているといった問題もあります。
移住の手段になっている学生ビザ
学生ビザの本来の目的は、学校で学ぶことです。ただオーストラリアは日本だけでなく世界中からみても海外移住先としてとても魅力の国でもあります。
そのため、学生ビザを経由してオーストラリアの永住権を目指そうとする方が増えてきている事が問題になっていました。
いわゆるビザ取り学校はその代表的な問題で、オーストラリアに移住する(ビザ発行)ためだけに運営されている学校です。
そうした学校に通う学生たちは違法労働(キャッシュジョブ)をする割合が高く税金を収めていません。
オーストラリア政府としてはある程度、学生ビザの人たちの「品質」をコントロールしているのではないかとボクは考えています。
さて、話が少しそれましたが、これからはGTEの書類を作る上で考えておくべきことを紹介していきます。
GTEに含めるポイント
永住のための留学でないことを証明するなんてどうするか。これには移民局のページでいくつかポイントがある事が掲載されています。
その中で特に大事な、移民目的でない留学を証明するためのいちばん大事なポイントは下の内容をGTEに含めることが学生ビザを発行する上で大事な要素となります。
日本の学歴
大学での成績証明書や資格、学校の運営者についての情報を提供します。
オーストラリア(留学先)では日本での学歴と関係性の深い学問を学ぶ方がGTE的には有利です。
留学先の学校で学ぶ内容と理由
これは日本で先行していた学部や学科とどれだけ近いのか、どのような関連性があるのかが問われてきます。
まったく関係のない学問を留学先で選ぶにはそれ相応の理由が必要です。
留学先で関係のない学問を選びたい
オーストラリアでこれまで学んだ学科とあまり関係のない内容も学べますがそのギャップについての説明をします。
現在の雇用主
もし今働いているのであればその会社の情報提出をします。
留学後に日本に帰る予定
オーストラリアでの学校を卒業した後に日本(母国)に戻るだろうと思える理由を提出します。
移民局側のケースオフィサーに、「日本に戻らなければならない」家族や仕事の関係があることをわかってもらえる書類を用意する事が大事。
理由の一つとして、「家族の面倒を見る」ことや、卒業後に(日本の)会社に戻ることの証明、例えば、休職証明などがあげられます。
移民局がGTEの中身を見るポイント
ケースオフィサーは学生ビザを発行するかどうかについてGTEを次のポイントで評価します。
- 留学をする理由
- 留学後に日本に戻る説得力ある資料
- オーストラリアの学校を選ぶ確かな理由
- これまでの資格証明書や修了証書
- 当面の学生生活ができる貯金
- 留学をする価値があるか
- 過去のビザ発行状況
逆に考えるとこのあたりが納得できるような書類を用意する必要があります。
日本語で資料を作る
これまであげてきたGTEを作成する上で大事なポイントを英語でかける自信がなければ、日本語で書くようにしましょう。
移民局は英語で書かれた書類のみ受け付けてくれます。しかし日本語で書かれた書類をNATTI資格を持っている方に翻訳をしてもらった資料も受け付けてくれます。*
* オーストラリア国内であればNATTI資格保持者。日本の翻訳会社であれば会社名と翻訳者の記載でよい.(NATTI資格の方が翻訳しなくても良い)
日本語でしっかりとGTEに関わる部分を書いてから英語に翻訳してもらうのもビザ発行のコツでしょう。
関連記事:出生証明書をオーストラリアで取得する方法【ビザ書類は早めが肝心】
問題があれば移民局から連絡がある
たとえGTEの書類が基準に満たしていない場合でも無言でビザがリジェクトされることはありません。その際はまずオーストラリア移民局のケースオフィサーがビザ申請者に連絡をし疑問点や追加資料を要求してきます。
移民局からの要求は28日以内に回答が必要です。資料を見直し再提出するまでのチャンスが与えられるのでそこまで深く心配しなくても大丈夫です。
GTEをパス→留学したら永住権も手が届く
GTEは永住目的で学生ビザを申請していないことを証明することですが、それはその時の話です。
GTEの説明で卒業後は必ず日本に戻ると説明していたとしても、それから状況がかわり永住権の申請をしてもかまいません。
実際に何人もの方がオーストラリア移住を目指し学生ビザをとり、卒業ビザ、そして永住権へと進んでいるのです。
ただ学生ビザはあくまで勉強が第一。初めから移住目的で学生ビザを使うのではなく勉強の目的で留学をしてくださいね。
そして、そこから可能性や状況が変われば柔軟にしていけばよいのです。
オーストラリアに移住したいと思うすべての人に幸運を。
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