オーストラリアの学生ビザでは、学生と学生ビザに含まれている家族も働くことが出来ることを知っていましたか?
学生ビザの人でも40時間を超えても働くことが出来る条件があることをご存知でしょうか。
知っているようであまり知られていないオーストラリアの学生ビザの働くルール。
移民大国オーストラリアは、ビザに関してはかなり細かくルールを決めています。
学生ビザのルールを知らずに損をするのはもったいない。
損をするだけではなく場合によっては知らずに違反をしてしまうことも。
最悪の場合は学生ビザのキャンセルとオーストラリアから強制退去もあり得ます。
今回は長く移住する為に欠かせないビザの一つ、学生ビザで働くルールについて書いていこうと思います。
学生ビザでオーストラリアに滞在している人たちが最低一度は目を通しておきたいポイントを絞ってまとめてみました。
- 学生ビザの労働条件
- 学生ビザの労働時間、2週間で40時間の解釈は14日。
- 学生ビザの学期中と学期外(In Sessionとout of Session)についての考え方
- それ以外の学生ビザの労働条件の細かいルール
- 学生ビザを利用してオーストラリアで長期滞在するコツ
関連記事>>まずは学生ビザについて全部知りたいと思う人の為にこのページも用意しました。
- 学生ビザの労働制限
- 学生ビザでは学校が始まるまでは働くことが出来ない
- 学生ビザで無制限に働ける黄金期間がある。
- オーストラリアのコースによっては実習授業として労働がある場合もある
- 食事や宿泊施設が提供されているボランティアもOK
- 大学院生は40時間以上働ける場合もある
- 学生ビザに含まれる家族が働く時の条件 - 学生ビザの労働時間、2週間で40時間の解釈は14日。
- 注意!2週間で40時間は週毎に計算される!
- 学生ビザの学期中と学期外(In Sessionとout of Session)についての考え方
- 学期中(インセッション)
- 学期外(アウトセッション) - それ以外の学生ビザの労働条件の細かいルール
- 学生ビザを利用してオーストラリアで長期滞在するコツ
- 最後によければ、僕の足跡も見ていってください。
学生ビザの労働制限
オーストラリアに住んでいると働きたくても働けないから学生生活が出来るけど貯金ができないというお話を良く耳にします。
よく聞く学生ビザの労働時間の制限は2週間で40時間しか働くことが出来ないことだと思います。
確かにそうなのですが学生ビザにはたくさんの労働条件のルールがあって、それを知っていくと意外にオーストラリアで長期滞在出来るヒントが隠れてることが分かります。
学生ビザでは学校が始まるまでは働くことが出来ない
学生ビザで一番勘違いしやすいのは、学生ビザを持っていればオーストラリアですぐに働くことが出来るということです。
これは違うんですね。
学生ビザでは学校の授業(コース)が始まるまでは働くことが出来ません。
学校のコースが4月1日から始まるとすると、働けるのはそれ以降からになります。
オーストラリアで働くためにはTFN(タックス・ファイル・ナンバー)を取得して職場にそのTFNを伝えなければなりませんが、その時点でいつから働いたのかがオーストラリアのお役所に記録されます。
その記録が学生ビザを取り扱っているビザのお役所(移民局)にあるタイミングで知られることになると、当然バレてしまいますね。
学生ビザの労働制限のルールを知らない事で将来のビザ申請(パートナーや永住権)に悪影響が出そうなリスクはしっかり自己管理したいところです。
学生ビザで無制限に働ける黄金期間がある。
学生ビザではオーストラリアで学校が始まるまでは働くことが出来ないと先程説明しましたが、40時間の労働時間制限はコースのセッション(学期中)のみ適用されます。
言い換えれば、セッション外(学期後)は無制限に働くことが出来ます。
(この下の項目で学期について詳しく解説しています。)
例えば、学生ビザで申請したコースの期間が4月1日か6月31日までだとすると、6月31日以降は毎日10時間働いても問題ありません。
オーストラリアのコースによっては実習授業として労働がある場合もある
移民局のページではコースに授業の一環として含まれている労働はこの40時間制限が無いとしています。
Work that is formally registered as part of your course is not included in the 40 hours per fortnight limitation.オーストラリアの一部の電気系などのTAFEのコースでは、授業の一環として学校と提携している企業で数週間労働を通して企業にアセスメント(評価)してもらうものもあります。
給料は高くありませんが、授業の一部として働くことは学生ビザの40時間制限に入らないということですね。
食事や宿泊施設が提供されているボランティアもOK
ボランティアって曖昧だと思ったことはありませんか?
タダで働く代わりに、食事や宿泊施設が提供されたり、場合によっては必要最低限の生活に関わる物が提供されたりと、これってお金ではないけど対価になる物をもらっているから労働なんじゃないかと思う人もいますね。
オーストラリアの移民局では学生ビザでこの曖昧な部分にもしっかりとルール決めをしていて、次の3つを満たせばボランティアは労働ではないとしています。
- オーストラリアでの学校生活を中心にボランティアはサブ(当たり前ですね)
- オーストラリアの非営利団体が運営するボランティアで活動する
- ボランティアに対して金銭(お金)の受け渡しが発生しないこと。
学生ビザはこの上3つを満たしている限り、40時間を超えるボランティアをしても良いとしています。
逆に言えば、お金の受け渡しがあるボランティアや、バックパッカー用の宿泊施設が提供しているボランティアは労働になるので40時間以内にする必要があることですね。
これを利用すれば、食事の提供や宿泊施設が提供されるボランティアも出来るということなので、実質的に追加の労働が出来ることになります。
大学院生は40時間以上働ける場合もある
修士過程(Master)の大学院生は、学生ビザでもコースが始まる前(学期前)にオーストラリアで働くことが出来ます。
さらに、博士 過程(Doctora)の学生ビザの大学院生はなんと、労働時間の制限がなくなり、オーストラリアで働きたいだけ働くことが出来ます。
学生ビザに含まれる家族が働く時の条件
家族がオーストラリアで働く場合も、プライマリー申請者(学生ビザを申請して学生になる本人)とほとんど同じ条件が適用されれます。
覚え方としては、学生ビザのプライマリー申請者がダメなことは、家族もダメ。という風に行動すると安全です。
学生ビザに含まれる具体的な家族の労働の制限は、
- 2週間で40時間まで働ける(プライマリー申請者と同じ)
- オーストラリアで学校が始まるまでは働くことが出来ない。(プライマリー申請者と同じ)
唯一の違いは、学生ビザのプライマリー申請者が修士課程、博士課程の場合にはそのご家族は労働時間の制限がなく40時間を超えてオーストラリアで働くことが出来ます。
学生ビザの労働時間、2週間で40時間の解釈は14日。
2週間で40時間しか働けないと言っても、曖昧すぎますよね。
いつからいつまでの2週間なのかわからなければ計算が出来ませんので調べました。
月曜日から次の次の日曜日までの14日間を2週間としています。
オーストラリアは月曜日が新しい週の始まりなので、月曜日からの14日間に40時間働くことが出来ると覚えましょう。
注意!2週間で40時間は週毎に計算される!
この40時間制限は、学生ビザのキャンセル対象に引っかかりやすい部分なので
もう少し、学生ビザの14日で40時間の制限について説明します。
下のリストは学生ビザで4週間働いた場合の週ごとの労働時間です。
- 1週間目 - 15時間働く
- 2週間目 - 25時間働く
- 3週間目 - 25時間働く
- 4週間目 - 10時間働く
一見問題がなさそうなこのリスト、実は40時間の労働制限を超えています。
- 1週間目 - 15時間働く
- 2週間目 - 25時間働く
- 3週間目 - 25時間働く
- 4週間目 - 10時間働く
2週間目と3週間目の労働時間を足すと45時間になっていますね。
学生ビザの2週間で40時間制限というのは、どの2週間を見ても40時間を下回っている必要があります。
これを知らずにビザをキャンセルされた方もいるので注意してください。
学生ビザの学期中と学期外(In Sessionとout of Session)についての考え方
学期中(インセッション)
学生ビザで指定した学校が決めたコースの期間 (試験期間中を含む)
とコースとコースの間のブレイク期間中になります。
学生ビザには2つ以上のコースを指定することが出来ます。
これをコース・パッケージングと呼んでいます。
関連記事>>コース・パッケージングの考え方についても詳しく説明しています。
学期外(アウトセッション)
前の「学生ビザの労働制限」説明で学期外では40時間を超えて無制限に働ける事を説明しました。
この学期外というのは
- コース期間中に休暇(ホリデーやブレイク)を学生ビザで申請している学校から認められた
- 学校の都合でコースが延期したり停止した場合の期間。(スタンダード9と呼ばれる留学生向けの教育を提供している学校が守るルールがある)
- 学生ビザで指定したコースが完了した後から学生ビザの滞在期限まで。
- 学生ビザで指定した学校が倒産した場合。この場合、別の学校のコースを受けることが出来ますのでそのコースが見つかるまでの期間です。
参考記事>>学校が倒産した場合にすること!
それ以外の学生ビザの労働条件の細かいルール
ビザコンディションという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
学資ビザと一言と言っても学生それぞれの状況によって特別のルールがビザの発行時に与えられます。
この学生ビザを持つ人が追加で守らなければならないルールをビザコンディションと呼び、コンディション8104、8105等と番号で管理されています。
このコンディションは様々で、自分がどのコンディションを追加で与えられているか確認するためにはVEVOと呼ばれるオーストラリア移民局が提供している無料のオンラインページで確認する必要があります。
参考記事>>VEVOで滞在条件を確認する方法!安全確認に。
学生ビザではこのコンディションの内容をプライマリー申請者とそれ以外で分けて番号付けしており、VEVOで自分の学生ビザのビザコンディションを確認することでコンディション番号を知ることが出来ます。
参考記事>>VEVOで学生ビザのコンディション番号を確認した後にコンディションの内容を知ってみる。
学生ビザを利用してオーストラリアで長期滞在するコツ
オーストラリアで長く滞在するためにはビザのルールを知り使っていく必要があります。
例えば、ご家族で学生ビザを申請した場合は、学生ビザに含めた夫婦合わせて2週間で80時間働けることになり、フルタイムワークと同じ金額を稼ぐことが出来ます。
また、学生ビザでも修士課程・博士過程をを選ぶことで40時間の労働制限が無くなります。
学生ビザで指定する学校のコースの選び方も考えてみてください。電気系のコースには時給が発生する実習(労働)があり、この自習時間は40時間に入りません。
ボランティアをするのも一つの手です。宿泊施設や食事が提供されているボランティアをする事で大幅な節約になります。
学生ビザの労働条件を知ることでボランティアによる大幅な節約や40時間の労働制限そのものを外す事が出来ます。
やり方次第で、オーストラリアの永住権までは取れなくても永遠に近い長期滞在が可能になると思います。
最後によければ、僕の足跡も見ていってください。
オーストラリアで今日まで僕が歩んだ道は長かったですが時系列別にまとめたのが下のゼロから始めた移住ストーリーです。
関連ページ>>今日まで歩いた僕の数年間の永住権ストーリー(目次)
僕の足跡を通して永住のためのヒントが見つけられたら嬉しいです。