オーストラリアの学生ビザの申請基準が年々厳しくなってきおります。
これまでワーキングホリデーが終わった後も引き続きオーストラリアに滞在したいと思う方が学生ビザに切り替えて長期滞在するケースが多くその一番の受け皿になっていたのがビザ取り学校です。
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今回の記事はこのビザ取り学校のこれまでと今後について以下のポイントで説明したいと思います。
- ビザ取り学校と特徴
- ビザ取り学校を選ぶ人の理由
- 普通の学校とビザ取り学校の違い
- ビザ取り学校のメリット・デメリット
- ビザ取り学校の最近の動きと今後のリスク
- ビザ取り学校とは
- ビザ取り学校を選ぶ人の理由
- 普通の学校とビザ取り学校の違い
- ビザ取り学校と普通の学校の一番大きな違いは、入学基準が低い
- ビザ取り学校では最低限の出席と成績を取れれば学生要件が満たされる
- 授業レベルが比較にならないほど低い - ビザ取り学校のメリット・デメリット
- メリット1 豊富な情報網
- メリット2 学費が安い
- メリット3 授業の進め方が選べる
- メリット4 ホリデーが多く働きまくれる
- デメリット1 生徒同士のつながりが殆ど無い
- デメリット2 本気で勉強出来ない
- デメリット3 類は友を呼ぶ
- デメリット4 無意味な時間を過ごしてしまう - ビザ取り学校の最近の動きと今後のリスク
- 英語コースのビザ取り学校が法改正を受けて軒並み廃業
- オーストラリアの語学学校の今後の展望
- ビザ取り学校の未来は悪い話ばかりではない。希望もある
ビザ取り学校とは
一言でビザ取り学校を言うと、オーストラリア滞在を延長する為だけに存在している学校です。
オーストラリアでワーキングホリデーを使い1年〜2年滞在した後に引き続きオーストラリアに滞在しようと思うと可能性的に考えて次の2つしか方法がありません。
- 長期観光ビザで滞在
- 学生ビザに切り替えて滞在
ただ、オーストラリアで引き続き滞在しようと思うとどうしても「お金」が必要になってきますよね。
そうなると、働くことが出来る学生ビザに切り替えて滞在を伸ばそうと言う発想になるのです。
ビザ取り学校は、そういう人たちの為に、出来るだけ安い学費と少ない出席日数で授業を提供していて、学生ビザでビザ取り学校に入学すれば永遠に滞在できる様な仕組みになっていました。(後述しますが、2018年の法改正で厳しくなりました)
ビザ取り学校は学校で選べるコースが様々で豊富ですが実際はほとんどの人が英語コースかビジネスコースを選んでいます。
その理由は授業の難易度が低く、授業の課題も簡単にこなせるからです。
またビザ取り学校の費用は普通の学校の約半分の授業料で、半年間のコース授業料は2,400ドルからとかなり安くなっている事も大きな特徴です。
- ビジネスコース(半年)…$3000~
- ITコース(半年)…$3100~
- スポーツコース(半年)…$3500~
ビザ取り学校を選ぶ人の理由
オーストラリアに長期観光やワーキングホリデーで滞在中にオーストラリアの魅力に惹かれ、引き続き永住や滞在したいと思う人がビザ取り学校を選ぶ人たちです。
その中でもだいたい共通しているのは、「目的が無くただ単に」オーストラリアに滞在したいと思っている人もたくさんいます。
オーストラリアで真剣に学校を通うとなると、ほとんどの人は日本で高校卒業をしているわけなので進学先は大学かTAFEになるのが流れですが、オーストラリアの大学やTAFEは年間の授業料で行くとビザ取り学校の授業料と比べて2〜3倍程度高くなります。
そうなると、キャッシュジョブ(違法労働)でもしない限り2週間で40時間の給料ではオーストラリアで生活がやっていけないわけで、自然とたどり着く先がビザ取り学校で学生ビザを狙おうとなりますね。
関連記事>>学生ビザで働くための条件。40時間以上働ける方法もある
ビザ取り学校の学生ビザの人たちの中には、しっかりと目的を持ちオーストラリアの永住権を取るために、あえてビザ取り学校に行きながらオーストラリア永住権のスポンサーを探す人もいます。
ただ、この永住権や就労ビザ、パートナービザ(結婚ビザ)のスポンサーを探すのはかなり狭き門という現実もあって「本気」でそれが出来る人はごく僅かです。
オーストラリアではそういう人たちが長く滞在するために色々と工夫していますが、ビザ取り学校もそのうちの一つです。
- ケース1 パートナーがオーストラリアに居て一緒に過ごしたいから
- ケース2 ワーホリが終わりもっと滞在したい
- ケース3 永住権や就労ビザ・パートナービザ(結婚ビザ)の為のスポンサー探しをしたい
- ケース3 日本に帰りたくない
普通の学校とビザ取り学校の違い
ビザ取り学校と普通の学校の一番大きな違いは、入学基準が低い
普通の学校に行こうとすればだいたいどこの学校もIELTS5.5くらいは求められるのですが、ビザ取り学校の場合はが学校が用意しているテストをパスすれば大丈夫というところもありかなりハードルが低いです。
ビザ取り学校では最低限の出席と成績を取れれば学生要件が満たされる
よくある話ですが、ビザ取り学校の学生条件についても同じで、ビザ取り学校出席は週に1日〜3日でよく、更に授業時間も1日4時間+課題提出(宿題)で許されるケースがほとんどです。
学生要件を満たすための大事なテストもオープンブックと言って、ビザ取り学校が用意したテキストなどの教材を見ながら問題を解くことが出来るのでかなり楽に合格出来ます。
授業レベルが比較にならないほど低い
ビザ取り学校の運営者達は、「生徒が勉強メインではなくて、滞在目的の為に利用してる」としっかりと自覚しているのでビザ取り学校で働く先生の質はかなり低いです。
先生の年齢も若い人かお年寄りが多く、ほとんど先生として経験を積んでいない人がたくさんいます。
ビザ取り学校で働く若い先生は、仕事が見つからず見つかるまでの繋として働いているか、キャリアのステップアップの踏み台としている人がほとんどだと思います。
ビザ取り学校のメリット・デメリット
メリットは一言で言うと、自由度が高く生活スタイルに合う学校が選べるところだと思います。
メリット1 豊富な情報網
ビザ取り学校はオーストラリアにすでに数年住んでいる生徒が多く、その為に情報を豊富に持っている人がたくさんいます。
オーストラリア国籍を持っている友達も多く、繋がりが出来やすい特徴があります。
メリット2 学費が安い
学費が安く、年間で6,000ドル程度です。普通は15,000ドル程度します。
メリット3 授業の進め方が選べる
普通の語学学校は基本的に月〜金曜日の朝から午後まで学校に通いますが、ビザ取り学校は週1〜3日朝から午後までや、夜間の時間など選択肢が広がります。
場所によっては土日開校しているビザ取り学校もあるので自分の生活に合わせて選ぶことが出来ます。
メリット4 ホリデーが多く働きまくれる
ビザ鶏学校で選択したコースの期間には4週間のホリデー(ブレイク期間)が含まれていて、さらにその後でプラスで4週間のホリデー期間があるということです。
これはどういうことかと言うと、学生ビザでは2週間で40時間しか働けないのですがこれはコース中(学期中)だけの話であり、コース外の期間については40時間以上無制限に働くことが出来ます。
ここからはビザ取り学校を選んだ場合のデメリットについて書いていきます。
デメリット1 生徒同士のつながりが殆ど無い
ビザ取り学校の生徒とは週にごく数日しか会わないので、あの語学学校時代のわいわいとした雰囲気がなく恋しく思う時もあります。
デメリット2 本気で勉強出来ない
ビザ取り学校はオーストラリアに長期滞在する為だけに存在している学校と言っても良いくらいです。したがって、先生の質も低く、本気で勉強したいと思う人には絶対に向きません。
デメリット3 類は友を呼ぶ
オーストラリアに滞在したい目的が「遊びたい」「なんとなく」「日本に帰りたくない」など程度の差こそあれ、そういった似たような境遇の人とたくさん会うわけです。
ビザ取り学校ではそういう人との繋がりがメインになってくるので、そこから抜け出すことが困難になります。
しっかりとした目的を持って「あえて」ビザ取り学校を選ぶ人はあまり関係ないと思いがちですが大きな間違いがあります。
初めはしっかりとした目的を持ってビザ取り学校に入学したとしても、そうでない人が圧倒的に多い環境で過ごし学生 たちと出会うわけですから、少しづつ気づかないうちに自分が流されている可能性が大です。
デメリット4 無意味な時間を過ごしてしまう
ビザ取り学校を選ぶ人の主な理由は「ただ単にオーストラリアに滞在したいから」という人が比較的に多いと感じています。
裏を返せば日本に戻りたくないという人も中にはたくさん居るわけですが、目的なくダラダラと永遠にオーストラリアにビザ取り学校で滞在を延長するという事は、それまで費やした時間はほとんど意味が無いと言うことを覚悟する必要があります。
仮に、30歳前半までビザ取り学校 で学生ビザを取り、オーストラリアで数年過ごした後、日本に戻ることになった場合、周りとの差は歴然としていると思います。
きつい言い方をすれば、「あなたオーストラリアで数年間何していたんですか?」という事になるかもしれません。(もちろんはっきりと言われないと思いますが)
ビザ取り学校の最近の動きと今後のリスク
オーストラリアの学生ビザの発行条件では、受け入れる学校で週に最低20時間は学習をしなければいけないとあります。
ここ数年でオーストラリア政府の移民政策が急激に厳しくなってきており、取締も増えてビザ取り学校が閉鎖に追い込まれる数も増えてたようです。
ただ、最近のビザ取り学校の閉校の流れを見ていると学生ビザを受け入れる学校に対する条件がオーストラリアの法律改正によって厳しくなり学校運営が維持できなくなったからと、僕は見ています。
英語コースのビザ取り学校が法改正を受けて軒並み廃業
これはどういうことかと言うと、学生ビザを受け入れる学校の要件で、最低週1回の通学とアセスメント(課題の提出)だけでも問題なかったとされてきた部分が改定されて2018年4月以降は通学日数の少ないコースは廃止せざるを得なくなりました。
事実、私の住んでいるパースでは英語コースをメインとする3つのビザ取り学校が閉校に追い込まれたりしています。
この改定は今の所、英語コースだけを狙ったものなので他のビジネスコースを選択している学生ビザの学校は引き続き「ビザ取り」学校を運営することが出来ます。。
いわゆる「ビザ取り」の為に取れるコースが専門系のコースだけになるので、英語力がそもそも低い人は今後のビザ取り学校(ビジネスコースなどの専門コース)に入学することが出来なくなる事を意味します。
オーストラリアの語学学校の今後の展望
日頃から英語力をこれまで以上に意識する必要があります。
通学日数が少なくても問題がなかったビザ取り学校から「英語」コースの選択肢が無くなったために、ワーキングホリデービザから「ビザ取りへの」学生ビザに切り替える為にIELTS等の英語試験をパスしなければならなくなるからです。
今の所、英語コース以外の専門系に特化したコースは少ない通学日数でも学生ビザの人を受け入れてもいい事になっていますがこれも次第に難しくなると思います。
ビザ取り学校の未来は悪い話ばかりではない。希望もある
僕はビザ取り学校が維持できないのは大都市圏の学校だけだと考えていて、ケアンズやノーザンテリトリー等の地方の小都市では引き続き形は変われど「ビザ取り」学校が運営されていくと考えています。
なぜなら、ビザ取り学校の経営が成り立たなくなる理由は大幅な人件費の上昇だからです。
これは法改正によって英語コースで学生ビザを受け入れる学校では、通学日数を大幅に増やす必要があるからです。
言い換えてみれば学校で勤務する先生も毎日学校に出勤する必要があり、それが大幅な人件費の上昇を招き、授業料の上昇にもつながる事でビザ取り学校が成り立たなくなるということです。
しかし逆手に考えてみると、人口規模や人件費があまりかからない地方の語学学校では授業料をそのものを下げて、実質的に「お値段据え置き」をすることが出来ると思います。
通学する日数は週に5日だけれども、授業料が変わらなければ学校は引き続き「ビザ取り」としての役目を演じられるからです。