学生ビザで2つ以上のコースを含めることが出来るのか。
例えば、一つの学生ビザにコースAとコースBの2つを含めることができれば更新の手間も少なく費用を節約できますよね。
今回の記事では、それを可能にするコース・パッケージングについて以下のポイントで説明したいと思います。
- コース・パッケージングとは2つ以上のコースをまとめる
- 学生ビザにはある程度の説得力が必要
- コース・パッケージングを申請する際の注意点
- 学生ビザの有効期間は状況によって変わる
- コース・パッケージングとは2つ以上のコースをまとめる
- 学生ビザ申請にはある程度の説得力が必要
- コース・パッケージングを申請する際の注意点
- コース間のブレイク期間は2ヶ月以内にしなければいけない理由
- コース間のギャップ2ヶ月は曖昧 - 学生ビザの有効期間は状況によって変わる
- 大学院生の場合はビザの有効期限が+6ヶ月
- 小学生のビザ有効期限は初めから長く設定 - まとめ
コース・パッケージングとは2つ以上のコースをまとめる
学生ビザ(Subclass 500)ではこれから入学する学校のコースとその後の別のコースに関連があれば一つの学生ビザで複数のコースを含めることが出来ます。
これが俗に言う「コース・パッケージング」です。
関連記事:学生ビザで何ができるのか?使い方や生活のコツを考える【永住権の踏み台】
コース・パッケージングに含めるコースはいくつでも可能ですがそれぞれのコースにある程度のはっきりとした繋がりが必要です。
例えば、単に語学学校の一般英語コースから一般英語コースへの繋がりは延長という意味になりますのでコース・パッケージングに含めることが出来ません。
どういう繋がりならコース・パッケージングに出来るのか。
学生ビザに含める最後のコースは、学生のメインになるコースでなければなりません。
例えば、大学に入学するための目的があるとして、IELTSを7をパスしなければならないとします。
この場合、語学学校の一般英語コースからIELTSコースへの遷移になるのが自然でしっかりとした繋がりがあると言えます。
学生ビザ申請にはある程度の説得力が必要
最後のコースのエンロールに求められる基準が、学生ビザの申請時に必要な英語能力や経済力の証明が関わってきます。
例えば、ある学生さんが、TAFEで看護の基礎コースを学び、その後看護の応用コースについて学びたいとします。
その場合、学生さんはまず看護の基礎コースを受け、その後に看護の応用コースを受けることになります。
学生ビザの申請書に必要な英語力はその最終目標である応用コースにエンロールする為のIELTS等の英語力とそれなりの貯金があることを証明する必要が出てきます。
また、英語力と貯金だけが申請に関わってくるのではなく、場合によっては無犯罪証明書の提出や健康診断のアセスメントも必要になり、これらの要素がビザ申請に影響します。
それなりに説得力のある書類が必要だということですね。
ただ、これまでの学生ビザよりもほんの少しハードルが高いと考えていればいいでしょう。
コース・パッケージングを申請する際の注意点
コース・パッケージングとして学生ビザが発行されるためには、コースのエンロールに必要な入学証明を提出する必要があります。
またコース・パッケージングに含めているコースAとコースBのブレイク期間は2ヶ月以内でなければなりません。
学校の卒業と入学の間(ブレイク期間)が2ヶ月を超える学校はコース・パッケージングに含めることが出来ませんが、例外があります。
オーストラリアの学校では卒業はだいたい11月が一般的です。入学は翌年の2月が多いと思います。
この場合ブレイクが3ヶ月になりますが、11月卒業、2月入学はオーストラリアのスタンダード・アカデミック・イヤーで基準として定められている事なので問題がありません。
自分で自由にコースの入学時期を選べる場合は2ヶ月を超えてはならないということですね。
コース間のブレイク期間は2ヶ月以内にしなければいけない理由
コースが千差万別あって長い期間のものから短い期間のものがあるため、コースの選び方によっては本業が学校なのかブレイクなのか分からなくなりますよね。
学生ビザの主な目的は学生業になるので、そのあたりをはっきりさせる為なのと、滞在を延長したいが為の無意味なつなぎを防止するためだと思われます。
例えば、1ヶ月で終了するコースがあるとします。
1ヶ月間のコースに入学し、次のコースも1ヶ月間のコースを受けるとすると、ブレイク期間のほうが学生期間よりも長いですよね。
これでは、どっちが本業なのかわかりません。
コース間のギャップ2ヶ月は曖昧
この2ヶ月というルールは実は曖昧で、場合によってはコース間のギャップは3ヶ月以上開いていても問題がない場合があります。
ビザのお役所(移民局)ではこれに関してケース・バイ・ケースで考慮してビザをキャンセルするかどうか判断するとしていて、次の3つが重要な判断材料になります。
- コース間のギャップについて学生の選択の余地があったかどうか。
- 他の類似のコースがあったかどうか。
- 学生の成績。
学生ビザの有効期間は状況によって変わる
コース・パッケージングの学生期間は学生ビザの有効期限以内しか認められていません。
これに重要な枠割を話すのが留学生保険です。
Overseas Student Health Cover (OSHC) と呼ばれているもので、学生ビザの有効期限はこの留学生健康保険の契約満期より必ず短くなります。
次のページ>>学生健康保険について
例えば留学生健康保険が2018年1月から10月までだとすると、学生ビザは1月から10月プラス数ヶ月になります。
学生ビザはどんなに長くても有効期間が5年以上になる事はありません。5年に1回は必ず学生ビザを更新する必要があります。
学生ビザの期限はコース終了月+数ヶ月
学生ビザの有効期限はコース期間より少しだけ長くなっています。
なぜ少しだけ長くなっているのかと言うと、私的には学生ビザが終わってからオーストラリアを去る前に残っているお金を消費させるためだと考えています。
下の表は、コースの期間と修了月によってビザの有効期間がどう変わるのかをまとめています。
コースの期間 | ビザの有効期間 |
---|---|
10ヶ月以上で終了月が11月から12月の間(オーストラリアン・アカデミック・イヤー) | コース終了付きの翌年の3月15日まで |
10ヶ月以上で終了月が1月から10月の間 | コース終了月+2ヶ月 |
10ヶ月未満 | コース終了月+1ヶ月 |
さらに、小学生・中学生と大学院生の場合はビザの有効期間は上の表よりももっと長くなります。
これからそれについて説明していきます。
大学院生の場合はビザの有効期限が+6ヶ月
大学院生の場合、卒業論文の評価の関係上、上の表で説明している学生ビザの有効期限からさらに6ヶ月が延長されます。
例えば、大学院生で11月〜12月に卒業する学生に対しては翌年の9月まで学生ビザの有効期限があることになります。
かなり長く滞在することが出来ますね。
この期間を使ってオーストラリアで就職活動をすることも出来ますし、将来への重要な期間だとも言えると思います。
小学生のビザ有効期限は初めから長く設定
まず、小学生の学生ビザの有効期限は2年になります。
さらに、小学校と中学校に入学される予定の場合は最大5年間が有効期限になり、かなり長くオーストラリアに滞在できることになります。
この5年間というビザの有効期限には少し仕掛けがあり、小学校に2年間だけ授業を受ける場合のみの特典です。
具体的な例では、小学校5年と6年制に入学する児童(学生)だけが5年間のビザ有効期限を与えられます。
もし小学校4年から入学した場合、たとえ中学校への入学を希望していたとしても学生ビザの有効期限は2年だけになるので注意が必要です。
次のページ>>スクールセクターについて
まとめ
いくつかのコースをまとめる事で学生ビザの有効期限を長くすることが出来るのがコース・パッケージング。
とても便利な半面、基準が普通の学生ビザよりより少し高く、またコース間のブレイクにも2ヶ月以下と制限があります。
しかし、明確な目的をもった学生さんの場合、学生ビザの申請が1度で済むためにとても楽で節約も出来るのでそういう方にはぴったりだと思います。
長期滞在目的の方であっても学生ビザの間にブレイクを入れることが出来るということは学費を支払わなくてもよい期間が存在するということですからそれを使ってアルバイトをしてロングランでオーストラリアに滞在することも可能です。
ビザの制度を知り上手に付き合っていくのが長期滞在へのヒントになるかもしれませんね。