オーストラリアの2つの永住権、RSMSとENS。何が違うの?
やっと紹介する事ができます。
RSMSとENSの違い。オーストラリアで2つの永住権について違いを説明したいと思います。
話は変わりますが、家に蟻が多い。そして常に蟻が机の上に上り、少し目を離したすきに、お菓子の袋の中に大群の蟻が・・・。
- RSMSとENSで共通するのはストリーム
- ENSとRSMSの主な違いは会社が地方にあるかどうか
- それ以外の細かなRSMSとENSの申請条件の違い
- RSMSの方が職業リストの数が多い
- RSMSのほうが申請費用が安い
- RSMSには技術査定を必要としない
- ENSでは必須で10万から20万の申請費用があります。
- 職業経験について
- 最低、雇用年数の制限について
- 教育必須の有無について - 最後に
RSMSとENSで共通するのはストリーム
RSMSとENSは、ビザの申請にそれぞれ3つの流れ(ストリーム)が用意されています。ストリームの違いによって、ビザの申請条件に若干の違いがあります。
関連記事:オーストラリアへ移住するなら知っておくべき【用語】subclassとstreamは?移住計画に使える
RSMSとENSは、ビザのスポンサーになってくれる雇用者を見つけなければ話が始まりません。
そのスポンサーを見つけて、初めてストリームを選ぶことが出来ますが、ざっくりと説明すると、「雇用期間の制限ナシで申請」、「雇用期間の制限アリで申請」、「政府と交渉して申請」の3つに分かれます。
オーストラリア政府としては、雇用期間が2年合った上でのビザ申請のほうが、オーストラリアの市場に適用できる人材ということで条件が少しだけ甘くなっています。
なので、雇用期間の制限ナシの場合で申請の場合は申請条件が高めに設定されています。
- 直接申請ストリーム:Direct Entry (DE)
雇用主がYESと言えば、今すぐ申請出来る。
英語証明はIELTSで各セクションでそれぞれ6が必要です。(PTEの場合は50) - 2年間の雇用ストリーム:Temporary Residence Transition (TRT)同じ雇用者の下に2年働いた場合に申請ができます。
英語証明はIELTSでOverall5が必要です。→各セクションそれぞれ6必要です。 - 政府交渉ストリーム:Labor Agreement
ビザ申請のために、政府と直接交渉して進める方法。
Labor Agreementのストリームは簡単に言うと、RSMSとENSは申請にはオーストラリア政府が指定する職業経験を持っている必要があります。その経験がない場合に政府と直接交渉する事で永住ビザの申請を可能にするストリームです。
このLabor AgreementはENSとRSMS共に提供されていますが、申請数はかなり少ないのでまたの機会に記事にしたいと思います。
さて、あまり長く書くと、また「次の記事に」となりかねませんので次に行きます。
ENSとRSMSの主な違いは会社が地方にあるかどうか
RSMSの永住権は会社の所在地が地方に限定されています。2018年現在、RSMSを申請出来る地方の中でもっとも大きな都市はアデレードです。
ENSの永住権はRSMSで指定されていない地域に存在する会社が私達の永住ビザのスポンサーになる場合に使うものです。
2017年までは西オーストラリア州のパースもRSMSの地域に入っていましたが4月以降に解除されました。
関連記事:2018年に変わったオーストラリア永住権の内容とこれからの動き
関連記事:RSMSがパースの主要都市から外れました。
それ以外の細かなRSMSとENSの申請条件の違い
RSMSの方が職業リストの数が多い
この職業じゃなきゃ永住権の申請しちゃだめ!リストです。
ENSはCSOLと呼ばれるオーストラリアの中で不足している業種についている必要がありますが、RSMSはANZCOと呼ばれるオーストラリアとニュージランドにある主な職業全てが対象となり、言い換えればRSMSの方がどんな職業の人でも申請できるということです。
RSMSのほうが申請費用が安い
ENSでは5万円程度かかります。RSMSでは無料です。ただし、一部の地域で業務している場合は2万円程度必要。
これも費用の面でRSMSの方がメリットが大きいですね。
※移民局に支払う申請費用でエージェント費は含んでいません。
RSMSには技術査定を必要としない
あんた、どれくらい能力あるの?具体的に資格見せてよ!です。
ENSでは必須で10万から20万の申請費用があります。
対してRSMSでは不必要になります。ただし、オーストラリアで仕事をするのに必要な資格がある場合は日本の資格からオーストラリアの資格に変換しないといけません。
例えば、ドライバーの場合は、運転免許を日本のものからオーストラリアに変換します。
そこは当然ですね。
職業経験について
あんた、その仕事で何年食べてきたの?です。
ENSでは最低3年間、仕事をしているという証明書を提出しなければなりません。
RSMSではその必要がありません。つまり日本で1年しか経験していないけどスポンサーさえ見つかればいいのです。
ちなみに、これも技術査定と深く関わりがあります。実際は自己申告ではなく、ACS等の審査期間があなたが提出した雇用リファレンスや資格、学位をもとに「推定 ◯年の経験がある」と判断されそれが最低3年間なければいけません。
以前の記事に書きましたが僕は日本でおおよそ9年間の実務経験があります。しかし実際に認められたのは1年だけでした。
最低、雇用年数の制限について
要するに、申請後に、同じ会社で最低◯年は働けよ。です。
ENSでは必須で2年間は最低働かなければなりません。ただしRSMSの場合は最大限の努力をするとあります。
これは・・ゆるい。RSMSでは会社と交渉して適当な理由で辞められそうですね。
教育必須の有無について
労働者に対して何かトレーニングを行う必要があるかどうかなのですが詳細は不明。(ゴメンナサイ)
ENSでは必須になり、トレーニングを行えなければ年収の最大2%を寄付する必要があります。
対してRSMSではその必要がないので企業側の負担が少なく、かつ費用もかさまないということです。
情報元はこちらの移民エージェントが書いた記事を参考としています。
参考リンク:Which Employer Nominated Permanent Visa to Choose – Regional Sponsored or Employer Nominated?
最後に
一見するとほとんど変わらないENSとRSMS。しかしよくよく調べていくと、ENSの方が雇用者にとっても申請者にとっても一段も二段も敷居が高くなっていることがわかります。
最も大きな違いはCSOLと雇用年数でしょう。
ENSは毎年のように変わるオーストラリアで不足している職業(CSOL)に関わっている職業でなければ申請自体が不可能です。さらにその職業での最低就業年数もあり、その申請は第三者機関に認定してもらわなければなりません。会社側の負担もトレーニングなどの面倒な手続きが増えたぶん申請がおりにくくなっています。
RSMSの方はそれらが全くないため、言い換えれば仕事さえ見つかりスポンサーになってもらえればすぐにでも申請ができるという非常にチャンスに溢れたライトなものです。
2年前、僕がパースを選んだのはパースが最も永住権のハードルが低かったからです。
法改正が行われるかもしれない今、もしパースがRSMSから削除されるとなると、これから候補地を探される方に僕がオススメするのはアデレードでしょう。アデレードはパースとほぼ同じ規模の都市でRSMSの対象地域だからです。
一概に言えませんが、永住権はそれらに関わるVISAに対して網を大きく投げることです。
つまり、あなたが将来的に(大変努力すれば)申請できるかもしれないVISAが5つあれば、その5つがあてはまるように行動し、選択できる状態に邁進していけば、多少、法律が変わったとしても「次の可能性」が選択できます。そういう意味でRSMSから消えるかもしれないパースで探すよりアデレードの方がチャンスに恵まれています。
それは、ほかならぬ、あなたのリスク管理になるのです。
永住したいと思う全ての人に幸運を。