ビザ申請でスコアを取りやすい英語テストは?PTEとIELTS を同時に受けてスコアを比較してみた。

ビザ申請で必要な英語力の証明にPTEが注目を集めてきています。実際PTEのテストはIELTSよりスコアを取りやすいのでしょうか?

ほぼ同じ時期にPTEとIELTSのテストを両方受けてみてスコアの違いを調べてみました。 点数の違いを比較した結果、PTEもIELTSも点数に違いはほとんどありません。

PTEの方がIELTSより簡単というのは誇大広告ですね。

そうは結論づけましたが、PTEの方が勉強方法が合っているのか分かりやすく、効率的な勉強方法さえ見つかればテストの度に点数が上がる事が目に見えてわかるのでオススメしています。

さて、それでは今回のメニューです。

IELTSとPTEのスコアに違いはない。

インターネットではPTEはIELTSより簡単という説明や噂が流れていますが両方受けてみた感想はスコアに違いはあまり無い事がわかります。*
* インド系の人たちはアクセントや訛りがきつく。IELTSよりPTEの方がスコアが上がりやすい傾向にあります。

これから紹介するPTEとIELTSのスコアは2週間以内に両方を受けたものです。コンピュターベースのテストを受けました。

2019年更新:IELTSも2018年からオーストラリアでコンピュターベースの試験が導入されました。

IELTSのスコア

2018年6月23日にオーストラリアのパースで受けた時のスコアです。コンピュータベースで受けました。

OverAll: 6, Listening: 5.5, Reading: 6, Speaking: 6, Writing: 5.5

PTEのスコア 

IELTSの2週間後に受けたPTEのスコアです。2018年7月7日にオーストラリアのパースで受けました。

Overall: 52, Listening: 46, Reading: 65, Speaking: 49, Writing: 50

PTEとIELTSのスコア変換表があるので、PTEからIELTS に点数を置き換えてみると・・・
Overall: 6, Listening: 5.5, Reading: 7, Speaking: 5.5, Writing: 6

PTEの方がリーディングのスコアが高くなっています。それ以外はIELTSの方が高いコンポーネントもあればPTEの方がスコアのものもあります。
このテストの結果から、どちらの方が点数が取りやすいかは言えません。

英語テストに出題される内容の違い

ジェネラルとアカデミックの2種類用意されています。ジェネラルは日常会話で使われる内容が出題されます。アカデミックは学校や教育機関で使われる内容が出題されます。
PTEはアカデミックしか移民局に受け入れられていません。対してIELTSはジェネラルとアカデミック両方のテスト結果を受け入れてくれます。

昔はPTEの方がIELTSより簡単にスコアが取れた

PTEの方が点数が取りやすい時期がありました。2017年10月頃まではPTEのスピーキングのスコアが高くなる傾向がありました。
下の表を見てください。2017年10月1日と翌年2月4日にPTEの模擬テストを受けた時のスコア比較です。
模擬テストなので本番のスコアと同じではありませんが、実際のスコアとかなり近いです。

PTE模擬テスト1回目

2017年10月1日に受けた時の結果です。
PTEの模擬テスト1回目

PTE模擬テスト2回目

2018年2月4日に受けた時の結果です。
Oral FluencyとPronunciationのスコアが0に激減
特に見てほしいスコアはスピーキングのEnabling Skillsにある「Oral Fluency」「Pronunciation」の2つです。2回目に受けた時のスコアは突然スコアが0になりました。
これはマイクの故障だと思ってPTEに問い合わせたくらいです。しかし録音は前回と同じように正確にされていました。

採点アルゴリズムが進化。点数が取りにくくなった

PTEはコンピュータが全てのコンポーネントの採点を自動で行います。その採点のアルゴリズムが日々進化しており2017年の10月中頃にアップデートされて以降、PTEのスピーキングのスコアが取りにくく鳴りました。難しくなったようなものですね。
PTEがIELTSより簡単だったのは昔の話です。今はどちらも同じくらいのスコアにばらつくというのが実際のところですね。

結論!英語テストはストレスを感じないものが一番

結局、PTEとIELTSの点数の取りやすさに違いが無いことが証明されました。そうなると自分にとって点数が取りやすい英語テストはなにか?を考える事がビザへの早道だと考えます。

英語テストで出題される内容や試験会場の雰囲気など自分の力をフルに発揮できる英語テストを選んでください。

参考までにそれぞれのテストの特徴をまとめました。

IELTSの特徴

試験の出題内容

ジェネラルとアカデミックそれぞれで多少変わってきます。ジェネラルでもIELTS6以上目指す場合はアカデミックで使われるような単語を覚えておく必要があります。

ぼくはジェネラル・アカデミック共に受けたことがありますが、アカデミックのほうが難しく感じました。その反面、アカデミックのほうがジェネラル・と比べて5〜10ポイント程少ない点数で同じスコアを得ることが出来ます。

試験の方法はコンピュータベースと筆記ベースの2種類に分かれています。*
*この後の章で詳しく説明します。

コンピュータベースの方が筆記よりも回答が早くなる傾向があります。筆記タイプと比べて同じ時間で質問を考える時間が多くなる事になります。

試験会場の雰囲気

コンピュータベースと筆記ベースで会場の場所は変わります。筆記ベース試験を選択した場合は大学の体育館のような広い場所で受ける事になります。パースの場合は500人近い試験者がいました。コンピュータベースでは試験者は50人くらいです。部屋の大きさも人数に見合ったものになります。

コンピュターベースの方が試験中にキーボードのタイピング音が気になりました。

PTEの特徴

試験の出題内容

ビザの申請で受け付けてくれるのはアカデミックだけです。IELTSのアカデミックと同じレベルの単語が使われています。

問題の量が多く、ここ1年で回答時間も減らされている傾向なので、難しく感じることが多くなりました。

試験会場の雰囲気

とても狭い部屋で10人程度の試験者とテストを受けます。

スピーキングをマイクに声を出して回答するので、試験中はうるさいです。耳栓が提供されていますが、集中出来ないくらいうるさい時があります。試験者の中には大声で回答する人も居るので、その場合は試験管に相談すると対処してくれます。

静かにテストを受けたい人はIELTSを受験してください。

PTEを選んだ理由

ぼくはIELTSとPTEの両方の試験を経験しました。実際に経験してみるとPTEのほうが自分の勉強スタイルに合っているなと思い、その時からはPTEを受けることにしました。

PTEはコンピュータが採点を自動で行うのでテストのスコアのばらつきが抑えられる所が良いと思いました。またオンラインから模擬テストを受けることが出来るので自分の勉強方法が効果あるのかどうか分かりやすい所も良いと感じたところです。

勉強方法が正しいのので回数ごとにスコアが上がっていく

下の図は試験を受けた回数とその時のスコアをグラフにしたものです。

初めの数回は勉強方法を試行錯誤していたのでスコアは横ばいですが、点数アップにつながる勉強方法を見つけると、その後はテストの度に英語の点数が上がっていっている事がわかります。

自分の今の勉強方法が効果があるのかどうか分かりやすく勉強方法に自信を持つことが出来ます。

コンピュータベースと筆記ベースのメリット

試験の受け方には「筆記+面接」のタイプと「コンピュータ」の2種類があります。そのそれぞれのメリット・デメリットをまとめました。

コンピュータベースのメリット・デメリット

試験結果の各セクションで、スコアのばらつきが少なく正確です。リーディング・ライティング・スピーキング・リスニングの各セクションの試験ごとのスコアが毎回大幅に変わることがありません。

コンピュータベースは解答にキーボードを使うので全員が同じ書体で解答をします。人によって読みにくい文字が無くなるのでそれによってネガティブな採点をされる心配もありません。

PTEの場合はスピーキングのテストでもコンピュターが採点するのでマイクに向かって解答します。試験管は人間ではないので対人恐怖症の人やあがり症の人でもリラックスしてテストに解答出来ます。

コンピュータベースの場合、技術的な部分が問題で人によっては点数が減る可能性があります。声の高さや低さ、訛りによる単語間の結合問題とかは人間だと判断できるものがコンピュータだと認識できない場合があります。

筆記ベースのメリット・デメリット

オーバオールが切り上げされやすいメリットがあります。また、人間が採点するので試験管の能力や性格によってスコアが上がるかも知れません。*
* テストの試験管は人による点数のバラツキが出ないように訓練されていますが、人間なので人によるスコア判断の「差」は出ます。

反対に、解答が読みにくかったりするとスコアは低くされるかも知れません。人種差別主義者が試験管の場合はスピーキングの場合は体の臭いは肌の色でスコアを低くする人もいるかもしれません。

ビザ申請で提出出来る6つの英語テストの違い

移民局で受け付けてくれる英語の試験をまとめてみました。特徴だけを書いているので大まかにテストの雰囲気がわかると思います。

IELTS

The international English language testing system を略してIELTSと読みます。

主にイギリス連邦に所属する国、(たとえばオーストラリア、ニュージランド、カナダなど)に移民する場合や、高等学校以上の教育機関に留学する場合に利用されます。

毎年数百万人が受けており、かなり需要は高いので試験勉強の素材がインターネット、本など量が豊富。

テスト内容は、リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの4科目で「一般英語」と「アカデミック英語」の2つに分かれます。

テストは指定のテストセンターで受けなければならず、結果は13日以内に届きます。

TOEFL iBT

Test of English as a Foreign Languageの略で、IELTSに並ぶ国際的な英語能力試験です。

TOEFLは主に世界中の留学先での入学条件に指定されています。

TOEFLにはインターネット上で試験を受けることが出来きるiBTと呼ばれる試験があり、このタイプがオーストラリアの移民で利用出来ることになっています。

テスト試験は10日以内に届きます。

PTE Academic

The Pearson Test of Englishの略で、採点はコンピュータが行うので試験ごとの採点のばらつきが少なくスコアの精度が安定している利点があります。

主に留学やイギリス連邦諸国の移民で使われます。

テスト内容はIELTSと同じ、リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングになります。

PTEアカデミックはコンピュータ・ベースで採点がされるために結果が非常に早く1日から5日程度で届きます。

CAE

The Cambridge English: Advancedの略で、試験内容はIELTSと同じリーディング・ライティング・リスニング・スピーキングになります。
世界130カ国で試験が行われており、顔を向き合っての試験かオンラインでの試験家に分かれます。

このテストでは、職場や留学での英語勉強で、会話力がつくところです。

オーストラリアには29箇所のテストセンターがあり、テストは2−6週間で届きます。

OET

Occupational English Testの略で、ヘルスケア系の業種で使う英会話力に集中したテストです。

オーストラリア移民局はこのテストも移民用として採用しています。

テスト内容はIELTSと同じ、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングになりプロフェッショナルなヘルスケアの仕事で効果を発揮します。

移民局がIELTS以外の英語テストを受け入れる用になった話(余談)

ビザ申請で受け付けてくれる英語テストは2014年までIELTSだけでした。これにはIELTSの独占的な立場を利用して、試験の点数を低くしているのではないか?と疑惑を持たれていました。*

そういう経緯もあり、2014年からTOEFL, Pearson Cambridge Academic ( PTE ) , CAE, OET, TOEFL iBTの5つの英語テストが加わる事になりました。

自分に合う英語テストを調べるために6つの試験すべてを受けるのは現実的ではありません。ただ少なくてもIELTSとPTEは受けてみて違いを分かって見るもの良いと思います。

* 一昔前はイギリスの英語テストにTOEFLも入っていましたが、スコア操作が発覚してニュースになっていました。

移住についてのアドバイス

英語テストは自分に合うものを選ぶことをオススメします。その中でもメジャーなIELTSとPTEを受けてみてどちらのテストが自分に合うかを知ってみる事をオススメします。

IELTSのスコアを1上げるために必要な勉強時間は380時間だと言われています。

時間を無駄にしないためにも効率的な英語の勉強方法を見つけて短期集中で英語をパス事がビザへの早道だと思います。

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